ズルイ。


「やっ、大佐ーッもぅやめっ!」


ブラインドで日光が遮られた薄暗い部屋の中で淫媚な音が響きわたる。

「俺、なにもしてなー」
「悪いが私はそんなに心が広くないのでね」
「そんなっ、アッ!」




きっかけはとてもくだらないことだったとエドは思う。
ホークアイ中尉が出してくれた紅茶を飲もうとしたら熱すぎてやけどをして。
見せてみろとハボック小尉に言われて舌をのぞかせていただけだというのに。

でもロイにとっては許せない行為。
小さく濡れた官能的な赤い舌を他人に見られるのはどうしてもいやだった。

カチンと来たロイは巧みにエドを奥の資料室に呼びつけ現在に至る。

両手をうえで縛られ、ズボンは脱がされ。
上着は胸の突起があらわになるくらいにたくしあげられていた。
先走りでぐちゃぐちゃになったソコは痛いくらいに張りつめていて。
なのに根元は戒められたまま。

「君が謝るまでこのままだ」
「俺が謝る筋合いはな…ッひぅ!」
「交渉決裂だ、残念だな」

ロイはエドのソコを強く握りしめて上下に激しくしごく。
一番感じる裏筋と射精口を乱暴にこすり、えぐるとエドは悲鳴に近い声を上げた。

「やだっ、やだあああぁぁっ!」

目から涙をボロボロと流し、口の端からは飲み下しきれなかった唾液が伝う。
気持ち良いというより雄に集まる熱と根元の痛み。


「いたぃ…ッ、い、あ、あついよぉっ!」

ぶるぶると躰をふるわせエドは机に爪をたてる。

「爪が折れてしまうよ」

ロイは手の戒めをとき、自分の肩に腕を回させた。
戸惑った目線をエドはロイに送った。



こんなの…

  ずるい…


ずるい。
怒ってるくせして俺の体のことを気にする。
前だって…あんなに怒ってても。
執務室の机でするのはきついだろうからって言って。
俺の体の負担を気にしてソファに移動した。
怒ってるのに優しくする。
そんなことされたら、俺は折れてしまう。

優しくするなんて、ズルイ。


「うっ、もっ…大佐のバカーッ!」
「はっ?!」

ロイは驚いて顔をあげる。

「優しくするなんてずるい、ずるいよ!」

エドはそう言うと嗚咽をあげて泣きだした。
当然ロイはぽかんとしてエドを見る。

「優し…い?」

どこが、といいたげなロイを見てエドは怒鳴る。

「だって!大佐怒ってるのに!俺の体のこと気にするじゃんか!そんなのズルイよっ!!」

なるほど、そのことか。


結局はエドが可愛くて仕方がなくてひどいことはできないのだ。
その反面、他人に可愛いエドを見られるのは嫌で。


なんて自分勝手。


「大佐は甘いよ…」
「ー…あぁ、そうだな。君には甘くなってしまう。でも心配なんだ…本当に愛しているんだよ…」
「たい……ロイ…」

先ほどとは違う優しい抱擁をする。

「無理矢理、すまない」

ふるふるとエドは首をふる。

「ね…それより、続きして?下、苦しいよぅ…」

ロイはそっとエドの戒めをとく。
数回しごくとエドはすぐ達した。
ねっとりとした液体を指ですくい上げ、後孔に塗り込める。

「あっ…!」

くぅっとエドは体をつっぱらせる。
後孔はひくひくとしてロイの指を受け入れた。
ねっとりと絡み付いてくる内壁をゆっくりとこする。
精液がぐちぐちと音をたてた。

「あぁっ、やぁっ…」
「ここ…が良いかね?」

こりこりとしたしこりを執拗になぶる。

少しずつ指を増やし、慣れさせるとエドのソコはロイの指をきゅっと締め付けた。

「もっ、我慢できない…!」
「どうしてほしいかね?」
「入…れて、奥までいっぱいにしてぇっ!」

腰をつきだしてロイにねだる。

「いっぱいちょうだい…」

熱で浮かされたぼうっとした目でロイを誘う。
ロイはエドの腰をつかみ、後ろから突き上げた。

「きゃあ、ああぁぁっ!」

熱く、太い肉棒がエドに突き刺さる。
ぐっぐっとエドの熱い内壁をこするといやらしい水音があふれた。

「あぅっ、おなかがぁ…いっぱ…ああぁんっ!」
「こんなにおいしそうにくわえこんで」
「おぃし…あっ、気持ち良い…っ!」

エドの腰がゆらゆらと揺らめく。
もっとロイを感じようとする。
結合部がとろけるような感じに襲われ。

「やぁっ、もっ、とけちゃうぅ!」
「あぁ、二人で溶けて一つになってしまおう…」
「ロイっ、ロイィィーッ、愛してるぅっ!」
「愛してるよ、エド」
「あっ、もうイクゥ…!」


ドクン!


「ふあああぁぁぁっ!!!」

体を突っ張らせてエドは達した。
それと同時にロイも欲望を爆発させる。

「あっ、あっ…」

ずるりとロイは自身を引き抜く。
と同時に白い液体がドロリとあふれた。

「すまん、エド。変なことで嫉妬してしまった…」
「うぅん、大丈夫。ロイが愛してるって言ってくれたから幸せ」

きゅっとエドはロイにしがみつく。

「でも変な勘違いはしないでくれ、めーわくだ」

ズガンと言われてロイは凍り付く。

「す、すまない…」

ロイはいったんしゅーんとなったが、すぐに何かを思い出したように顔をあげた。

「そういえば舌…大丈夫なのかね?」
「え…あ?ちょっとヒリヒリするかなぁ?」
「ちょっと見せてみたまえ」

そういってエドが舌を覗かせた瞬間。

「ーーー〜〜〜!」

不意に唇を奪われた。

「こんな事があるかもしれないからな。不注意はよくないのだよ」

なるほど、確かに…

エドはその日、深く反省をした。




end


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