いらない18
「辛かったら言ってね」
思いがけない気遣いの言葉。
びっくりしながらも、こくりと頷けば頭を優しく撫でられる。
ゆっくりとネクタイが外され、床に落とされた。
ブレザーのボタン、ワイシャツのボタンが一つずつ外されていく。
それにも胸の鼓動は止まらない。
はだけさせられた胸元を大きな手が包み込む。
きゅ、と乳首を摘まれて甘い声があがった。
「ひゃっ…!ぁ、う!」
「もう固くなっちゃったね?」
引っ張られたり、無理に捻られたことしかない場所を優しく愛撫される。
いままで感じたことのある快楽より、数段甘い。
気が狂ってしまいそうだ。
優しい手のひらがするする…と下肢に延びる。
カチャ、と金属の擦れる音がして、ベルトを外されているんだな、とぼんやり考えていた。
「ふふ、もう硬くなってるよ?」
「────、やぁ!」
下着の上からきゅ、と握られて高い声を上げてしまう。
そのままする、と下着を脱がされて。
どうしよう、ドキドキが止まらない。
やんわりとペニスを上下に擦りあげられて、トロトロと先走りがあふれ出る。
こんなにゆっくり触られた事なんて一度もないから、快楽はどんどんと高まって。
「まっ、て!ひ、やぁあ!」
腰がぶるり、と震えて熱いものがこみ上げる。
頭も真っ白に染まり、体が跳ねた。
気づいたときには精液を吐き出していて、顔が赤く染まる。
久しぶりの快楽だったから我慢ができなかったのは分かるが、いくらなんでも早すぎだ。
恥ずかしくて顔を覆い隠そうとすれば、手を取られそれも叶わない。
「可愛い顔、隠さないでよ」
「可愛く、ない…!」
腕を払いのけようとするが、力が全く入らない。
いや、入れようとすれば入るのだけど。
ただ、この状況に甘えたいだけなのかも知れない。
「こっちも、いいかな?」
くぷ、と後ろの穴に指先を少し含まされる。
どきりとしたが、ゆっくりと頷けば指は卑猥な水音をたてながら進入してきた。
こんなにゆっくり挿入されたことなんかなくて。
知らない感覚に全身が粟だった。
「う、やぁ…アァアア!」
挿入された指は最奥をぐちゅぐちゅとかき回し始めた。
いつもは乱暴にかき回されていただけなのに、今回は違う。
ナカが傷つかないように丁寧で。
慣らすだけの指の動きじゃなくて、確実に快楽を与えようとしている。
じわじわと全身が甘く痺れるような快感が走り抜けて。
こんなの初めてで。
「ふやあぁ…ひ、うあぁ!」
「凄い感度いいのかな?」
「ちが、う…!」
「じゃあ、何で?」
「こ、んなの初めてで…、ッ、愛撫って言うか前戯っていうか…」
お兄さんの手の動きが止まる。
不思議に思って目をうっすら開ければ、驚いたように固まった顔がそこにあった。
続く
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