甘い眩暈10



彼は必死になってそう叫ぶ。
あまりにも痛ましいその姿に口元が歪んだ。

「気持ちいいの、好きですか」
「好き、すきぃ…だから、だから…!外して!」
「仕方がないですね、その前にお約束です」

そう言えば、彼は射精したい一心でなんだ、なんだと尋ねてきた。
僕は優しく笑うといつもよりゆっくりの口調で、彼に言い聞かせるように話しかける。

「良いですか?僕の言うことは必ず守って下さい」
「は、いぃ…」
「あと、閣下にはあまり突っかからないで下さい…僕の立場が悪くなる」

いかにもな理由で閣下の話題を持ち出せば、彼は素直に首を立てにふる。
これでしばらくは閣下からのお咎めはないだろう。
あとは僕の好きなのように、楽しめばいい。

「素直な子は好きですよ?ご褒美にイかせてあげましょう」

そう宣言すると、彼の内壁をずるずると擦り上げる。
そうすれば、彼の背中が面白いくらい仰け反って。
あまりにも面白いから、僕は戒めたままのペニスも扱きながら、中を犯した。
ぎゅうぎゅうと締め付けてくるアナルは痙攣し始め、限界が近いらしい。
深く、深く突いてやれば彼は悲鳴を上げた。

「イク、でる!やらあああぁあ!」

びく、と体が跳ねたかと思えば、彼は目を見開いて体を硬直させる。
時折びくん、びくんと体が震えてた。

「もしかして、イきました?」
「イッ、ちゃった…」

呆然と宙を見つめて、彼はソファに沈み込む。
尿道をせき止めたまま、無理矢理絶頂を迎えさせるのには無理があったのだろう。
彼はすう、と意識を失ってしまった。













「古泉君、さすがだわ!あの作戦参謀、今じゃ凄い素直よ!」

彼女は彼が素直に命令に従うことを、最近は喜んでいるようだ。
にこにこする少女は、どうやったらあんな奴が素直になるのよ!と一生懸命尋ねてきた。
僕はもちろん「言って聞かせた」だの「少しだけ体罰を加えた」だの、嘘を並べる。

「こんなに優秀なら、次の子もお願いしたいわ」

そう言って、差し出された一枚の写真。
はらりと足下に落ちたそれを拾い上げれば、その中にはかわいい女の子がいた。

「この子、どじで間抜けでどうにかして」
「はい」
「躾てきてちょうだい」

僕は笑顔で閣下から仕事を承った。






彼女を執務室に連れて行こう。
そうして誰だ、と尋ねてきた彼の前でキスをして。

裏切ってやろう


絶望と悲しみと悔しさで顔を歪ませる彼を想像しただけで、いけない笑みがこみ上げた。












終わり


あきゅろす。
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