甘い眩暈8





僕はにやりと笑みを深めると、彼が悲鳴をあげた箇所をくい、と確認するように押し上げる。
そうすれば、また同じように甲高い喘ぎがあがって、僕を楽しませた。

「はは、ここが良いんですか」
「ひ、あ!な、何…!!」
「ここのしこり、たまらなく気持ち良いでしょう?」

そう尋ねると、彼は素直に「気持ちいい」だなんて言うがずがなく、首をぶんぶんと振って快楽に耐えている。
そんな彼を屈服させるのも楽しいかな、だなんて思いながら震えているペニスにも手を伸ばした。
それに驚いた彼は目を見張って、声にならない喘ぎをあげる。
縛られたペニスはさらに質量を増し、根元で縛られているゴムが食い込んでいた。
それでも、もっといやらしい顔が見たいから外してなんかあげない。

「助け、助けて…!!」
「おちんちん苦しそうですね?もう出そうですか?」
「やら、や、や…!」

彼は弱弱しく首を振って、それでもかたくなに拒否する。
いい加減いらいらしてきた僕は彼の前髪を掴むと、顔を思い切り近づけて「正直に言ってください」と、いつもより少し小さめの声で呟いた。
そうすれば彼はぼろぼろと涙を流しながらも、小さく乞う。

「お願い、イかせて…!」
「ええ、いいですよ?その代わり、お仕置きでそのままイって下さい」
「その、まま?」
「ええ、精液を出さずにイってください」

一瞬安心したかのように表情を緩めた彼だったが、すぐにまた表情が凍る。
なぜなら、僕から追加の命令が下されたからだ。
僕はお構いなしでペニスと前立腺を目指して内壁を擦りあげる。
そうすれば、ひっきりなしに彼の口からいやらしい声が湧き出した。

「いやああぁぁ!!や、あ、っひ!」
「うわ、ぎゅうぎゅう締め付けてきますね」
「お、ひり…溶けちゃ、う…!」

ぽろぽろと涙を流しながら、彼は渦巻く快楽に身を投げる。
僕は完全に抵抗をやめて、弛緩しきったアナルに三本目の指をねじ込んだ。
苦しそうな声が漏れ出すが、拒むことなくすんなりと指は飲み込まれてしまった。

じん、と自身の下半身も熱くなる。

「嫌―――ッ!?や、いやいやいやああぁあ!」
「どうしましたか?」
「で、でる…!出したい、らめ、や、ぁあ!?」

びくびくと腰が痙攣し、戒められたペニスも開放を求めてどくりと脈打つ。
今から何が起こるのかわからないのに、気持ちが良くて仕方が無くて、恐怖に歪んだ彼の顔が愛おしくてたまらない。
もっとぐずぐずにしてやりたくて、爪先で前立腺を引っかきながらペニスの先端も親指の腹で思い切り抉り上げた。

「や、やら…!ひ、ふ!ンアアアアァァ!」
「うわ、イっちゃいました?」
「ひ、いあ…?あ、あ…」

何が起こったのかわからずに目を見開いたまま、彼は達したときのままの格好で固まっている。
あまりにも滑稽なその姿に笑いが禁じえない。
僕が嫌な笑みを浮かべているにも関わらず、制御できないほどの快楽でぼんやりとしている彼は気付かない。
そちらのほうが好都合といえば好都合なのだが。






続く


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