甘い眩暈6





そんなことをぼんやり考えながら、ゆっくり彼をソファに沈める。
どうしたらよいか分からないと、彼は眉をハの字にしたまま、視線を彷徨わせた。

「安心してください、痛くはしません」
「それでも、恥ずかしいし怖い…!」
「ふふふ、今更待ったなしですよ」

青い軍服の下に手を潜り込ませる。
びくり、と体が震えて彼はぎゅっと目を瞑った。
そんな彼の反応を楽しみたくて、真っ先に胸の飾りに触れる。
そうすれば「ヒッ」と、彼の口から短い悲鳴が漏れだした。
そうやって顕著に反応を返してくる彼が面白くて仕方が無い。
男でもこんなに乳首で感じて、震えてしまうものなのだろう。

「乳首で感じちゃうんですね?」
「ち、違います…!」
「嘘、こんなに硬くしておいて嘘をつかないで下さい」
「ヒッ―――!!」

硬く立ち上がった果実を抓ると、彼は泣きそうな声を漏らした。
ここでこんなに感じて、変な声を上げてしまう自分が許せないのだろう。
唇を痛いほどに噛み締めて、ソファに顔を埋めている。
その滑稽な顔を見たくて仕方が無くて、僕は彼の肩をやんわりと掴んだ。
力をこめて、ぐっと引くと彼は戸惑ったような視線をこちらに投げかけてきたが、すぐにまた逸らす。

「こっち、見てください。あなたの顔が見たい」

決して見たいわけではない。
ただ、僕を楽しませる材料を増やしたいだけだ。
しかし、彼は頑なに首を振って、それを拒否する。
さすがに面白くなくなってきて、僕は少し低い声を出した。

「こちらを向きなさい」
「――――っ!?」

いきなりの命令口調に驚いて、彼はこちらを恐る恐る見上げた。
その恐怖に歪んだ顔を見て、にこりと笑って。
よく出来ましたとばかりに頭を撫でてやる。
すると、彼はまた表情を緩めてその手のひらに甘えるように顔をなすりつけていきた。
正直鬱陶しかったが、そこで拒否しても僕の楽しみが減るだけだ。
じっくり、じっくり甘やかして、奈落の底に突き落としたい。
そんな歪んだ感情に、にやりと笑みがこぼれた。

「こんなに感じやすいと、下も大変ですね?壊れちゃうんじゃないんですか?」
「い、いやだ…!!」

わざと彼の恐怖を煽ってやりながら、ズボンに手をかける。
嫌がって腰を捩っていたが、無理矢理衣服を剥ぎ取ると彼の下半身が露になった。
ソコには、僅かに立ち上がった彼のペニスが存在を主張していて。
彼の顔は真っ赤に染まりあがって、僕は楽しくて仕方が無くなる。
正直、男を抱くのは楽しくないし、気持ち悪いから他の方法で落とそうと思っていたのに。
彼なら、いける。
気持ちよくよがって苦しむ顔も、愛情に酔って微笑む彼の顔も、絶望して真っ青になる彼の顔も、泣きじゃくって苦しむ彼の顔もすべて見たい。

もう、閣下の命令なんてただの口実だ。
彼の色々な表情を独占できるなら、それでいい。

早く快楽で染め上げてしまおうと、僕は幼さの残る彼の性器に指を絡める。
19歳なら、もう少し成長を見せていてもおかしくないそこは、未だに陰毛も薄く、性器の色だって薄いものだった。
青年ではなく、少年を犯している気分になる。
ゾクゾク、と背中を何かが駆け上がって気持ちが良くて仕方が無い。
所詮、僕自身軍人なのだ。
人を騙すことも、拷問することも、殺すことだってある。
それに対して、最初は嫌悪感で一杯だったが、最近では何も感じなくなった。
それどころか、どことなく快楽を感じることさえある。
今も同じ、サディスティックな僕が顔を出してきている。
だめだ、抑えなければ、と思うのに。
なのに、抑えが効かない。
どんどんエスカレートする。

「ここ、弄るの好きですか?」
「わ、分かりません…!」
「嘘をつかないで下さい、好きなんでしょう?」

そう問えば、彼はぶんぶんと頭を振った。
素直にならない彼に、苛立ちがつのり、ペニスをぎゅ、と握ってやる。
すると、悲鳴をあげて彼は肯定の言葉を吐きだした。

「好き、好きです…!だ、だからやめてください、痛い、ヒッ!」
「よく言えましたね、ご褒美です」

今度は先ほどとは打って変わって、優しくペニスを擦ってやる。
そうすれば、萎えかけていた性器は勢いを取り戻して透明な液体を滲ませた。
時々自ら上げる艶を含んだ声が嫌なのだろう、唇を噛み締めている。
僕は、声も聞きたいのだ。
はしたなく、泣き叫ぶ声が。

「声、出してくれないと酷いことしますよ?」
「ふ、ぇ…?」
「おちんちん、縛っちゃいましょうか?」
「な、何で…!いや、いやだああぁ!」

胸ポケットから、今朝受け取った書類を束ねてあった輪ゴムを取り出す。
それでペニスの根元を縛り上げると、彼はみっともなく泣きじゃくった。
嫌だ、嫌だと頭を振り乱す姿に満たされる。








続く



あきゅろす。
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