強制束縛 2

少年の腰に鈍く輝く銀時計。
彼が国家錬金術師だという証。

見事最年少で国家資格を得た少年、エドワードはマスタング大佐に「書類不備があったから」と言う理由で呼び出されていた。
しかし、大佐の地位である彼が仕事を完全に終わらせる事が出来たのは頑張っていても夜の十時を回っていた。


また、あのようなことをされるのか──?


帰り支度を始めたロイの背中を見ながらエドはぼんやり考えていた。


あんな淫らな事をまた、強制されるのか?

悪寒が走った。

怖くて、恐ろしくてではない。

また、あれほどの快楽が得られる。
嫌…ではないと………


そう思ってしまった自分に、だ。




「私の家にはこれるかね?」

不意に声がかけられる。

「あ、ぅ、うん…」

はっとしてエドは少し大きめの声で答えてしまう。
挙動不審なエドをみてロイはほほえんだ。


あの笑みに騙されてはいけない。
彼はとんでもない鬼畜なのだ…


また、あの夜のことを思い出す。

彼がサドなように、自分はとんでもないマソヒズムを持った人間ではなのではなかろうか。


あれこれと考えているとロイが近づいてきて、エドの肩に腕を回して抱き寄せる。

「帰ろう」


優しく肩を抱き寄せる手に騙されてはいけない。
彼はとんでもなく無慈悲なのだ。



ロイの家は司令部から徒歩20分程度の所にあった。

「さぁ、入りたまえ」

玄関にあがる。

この空間は彼のテリトリー。
他人の目がない。
あの夜の、獣のような彼になってしまうのだ。

エドはおそるおそるロイの顔を見た。

「ん?何か付いているかね?」

人前でみせている顔と何一つ変わらない。

「いいや…」

あわてて目をそらした。
この前とあまりにも対称的すぎる。

ロイは軍服を脱いでワイシャツ一枚になった。

「おなかも空いているだろう?私は何か作っておくから君はシャワーでも浴びてきたまえ」


エドの体がびくりとはねた。


やはり辱めをうけるのだろうか…?


そのようなエドの様子を知ってか知らずか、ロイはタオルを投げてよこした。

仕方がなく、エドはバスルームに行き、シャワーを浴びる。
今から自分はどうなってしまうのだろうか…?


期待と不安


“期待”なんてしてはいけない。
なのに勝手に体がうずく。

いやだいやだいやだ───ッ!


雑念を振り払おうと、エドは頭から冷水をぶっかけた。

■□■□■□


バスルームからあがるとおいしそうな香りが漂っていた。

リビングに入るとロイが二人分の食事を用意していて。

「弟君から、君はシチューが好きだと聞いてね」

まぁ座りなさいと手招きされる。

エドは食卓に付くと、ロイもイスに座る。
テーブルの上には見事なまでも真っ白いシチュー。

「…大佐って料理うまいんだな」
「食べてから言ってくれたまえ」

それもそうだなとエドはシチューを口へ運ぼうとした。
しかし、手が止まる。


数日前、ロイがエドに盛った薬のことを思い出したからだ。


「………」
「──…大丈夫だ、何も入れていない」

エドは、ばっとロイの顔を見る。

「あの件」についてロイが触れたのは今日は始めてた。
「私は今日、君に話があってね。変な小細工もしてないし、あのようなことも今の所考えていない。さっきから警戒心バリバリなのも疲れはしないかね?」
「あ…」


あのようなことは考えていない。

半分、安心した。
しかし、半分は…


「少しは肩の力を抜きたまえ」
「あ、うん。えっと…いただきます」

とりあえずエドはシチューを口にした。

「あ…うまい…」

エドは目を丸くしてシチューとロイの顔を交互に見た。

「明らかに信じられないと言う顔だな」
「いや、でも…本当においしい…」

一口、二口とエドはシチューを食べた。
食べれば食べるほど、その味はどこかで食べたことのある味だなと思いはじめた。


旅の途中で食べたものだろうか?
ピナコばっちゃんのシチューか…?


どんどん味覚が呼び戻される。
どこか、懐かしい気がした…

あぁ──これは…母さんのシチュー…?


そう、それは幼い日に亡くなった母が作ってくれたあのシチューと酷似していたのだ。


「…母さん……」


不意に涙がこぼれた。
次から次へ涙が溢れる。

少し驚いた表情をしたロイがエドの側に近づいてきて顔をのぞき込む。

「…私はまだ泣かせるようなことはしていないのだがね?」
「ごめ…なさっ、ふぇ…何でも、ないからぁ…」


長い横髪をかきあげてやる。
見えた顔はまだまだ13歳の子供。

親指で溢れた涙を拭う。


「私は君に聞きたいことがあってここに呼んだのだ」

エドをひょいっと抱き上げるとロイは寝室へ移動を始めた。

「やっ、ちょ…大佐!今日はしないって…」
「予定変更はよくあることだ」

平然とそう言うとロイはエドをベッドへ横たえ、おおいかぶさった。

「単刀直入に聞こう。先日、なぜあれほど私を求めた?」


かぁっとエドの顔が赤く染まる。


「ただ、快楽に流されて理性が崩れたようには見えなかったからな」

ぐっとロイはエドの足を大きく広げ、股間をまさぐった。

「やっ…やだああぁぁっ!」
「暴れるな!」
「ひっ…!!」

怒鳴られエドは息を飲む。

「今のところ、今日は無理矢理するつもりはない。何が鋼のをしたのか、ゆっくりで良いから話したまえ」
「で、でも俺よく分かんな──…アッ!」

幼い性器をゆっくりなであげられ、体がすくむ。

「では、まず一つ。先ほどはなぜ泣いた?」
「大佐には関係ない!」
「関係あるから聞いているのだ」

ぎゅっとソコを握られて。

「あうぅっ!」
「なぜだ?」
「シ、シチューが…母さんの作ったシチューと似てたから…同じ味がしたから…」
「母親を思い出したのか?」

エドは首を縦にふる。

「では2つめだ。自分の体のことはどう思っている?」

「どう…って…」
「アルフォンス君の体を取り戻すためなら自分はどうでも良いと言うところはありはしないかね?」
「………あぁ…」
「それはひどく自虐的だと思うのだがどうかね?」

エドはおしだまる。

「まぁ良い…三つ目だ。なぜ、この間あそこまでひどく犯して欲しがった?」
「…………たから…」
「ん?」
「全部…あのときだけ忘れていたかったから…」
「…だから、か。私に動けと言ったのは。」

下を向いてふるえる小さな体がどことなく頼りなく見える。
このままにしておくと、彼が消えてしまうような気がして、ロイはその小さな体を強く抱きしめた。


「大佐───ッ!」
「四つ目だ、君は泣いていた。あれは生理的なものではないね」
「分からない…分からないよっ!」

ロイの体を押し戻そうとするが、まったくもって意味がない。

「最後の質問だ。君は人体錬成を行った日から心を閉ざしてきた。人を愛さず頼らず。しかしそろそろ限界だ。例えあのような行為であってもぬくもりを欲しがって…」
「やめろぉっ─!」

エドはロイの胸ぐらをつかむ。


「もう、これ以上言うなっ!」
「一番分かっているのは君だ。違うかね?」
「──ッ!」


ロイはエドの手をつかみ胸ぐらから引き剥がした。

「──っかんないよ、分かんない!いまさら人を愛せとか頼れとか分かんないよ!ぬくもりなんかとうの昔に忘れた!!」


エドはわめき散らす。
半分混乱状態だ。
そのようなエドを肩からがっちり押さえつけてロイは激しく口づけた。

「ッッ!!」

暖かな下が口内を這い回る。

空気が足りない。

酸欠になりかけたエドの唇からやっとロイのそれが離れる。
酸素が足りなくて頭がぼーっとした。


「私は君のその自虐的な態度がどうしても気に食わなくてね。あのようなことをしておいて言うのもなんだが、愛すなら私を愛せ。頼るなら私を頼れ。ぬくもりがほしければ私の所へこい」
「同情はいらねぇよ!」
「これは愛情だ!!」


エドの瞳が見開かれる。



ロイはエドをさらに深くベッドに沈め、衣類を剥がし始めた。

「や…大佐ぁ…」
「抵抗するな」

ロイは胸ポケットから万年筆を取り出してシーツの上に錬成陣を描く。
何事かと戸惑っているエドの両手首を一つにまとめ錬成陣の上に押さえつける。


バリッ!


あっという間にエドの両手首はシーツに縫いつけられてしまった。
あわててエドは必死に逃れようとするがもちろん無理で。

「君は強情だからな、無理矢理にでもしないと素直になってくれまい。」
「だからってあんたはこないだみたいに監禁すんのかよ!」
「必要であると感じたら、な?」
「ほんっとサイテー…アッ!」

不意にロイはエドの胸に手を這わせた。
大きな手がオートメイルと体のつなぎ目のあたりで止まる。
指で軽く引っかくように刺激するとエドは大きく声をあげた。


「な、なにっ、ひゃあぅっ!」
「やはりココは敏感だね」


エドは自らが熱くなり勃起するのを感じた。

次にロイは乳首に手をのばした。
ピンク色からだんだん赤く色づき始めたソコを口に含み、コロコロと肉粒を転がした。
ゆるい快楽がじわりじわりとエドの体を犯す。

「あ…もっ…」


“もっと”と言いかけてしまったエドは慌てて口をつむった。

「やめて…やっ…!」
「ほぅ、ここはイヤなのだね?」

ロイはにっと笑って乳首から下を離し、その周りを舐め始めた。
一番感じる乳首を避けて通られもどかしさでエドは身悶えた。
上半身をよじり、ロイの舌が乳首に触れるように試みるが無駄で。
ロイはそのエドの様子をみながらひくひくとふるえる乳首にふっと息をかけた。

「ひゃああっ!」

目を見開いて体をはねさせる。
見るとエドの下半身のソレは先端を蜜で濡らしていた。


こんなに感度がよい相手に巡り会ったのは初めてだ。

ロイはもっとじらすべく乳首に触れないように胸を軽くかんだ。

「もっ…もぅやだぁ…あぁ…」

いつの間にか溢れた涙がエドの顔を濡らす。
ロイは赤く熟した突起を噛んでやった。

「───〜〜ッ!」


声にならない叫びをあげてエドはびくりと体をこわばらせた。
ロイはベッドサイドにあった机からチューブをだし、少量のクリームをひねりだすとエドの両乳首にうっすらと広げた。
とたん、なんとも言えないうずきがエドを犯し始めた。

「やっ、なにこれぇッ!?かゆぃ、かゆいよぅっ!」
「もっと触って欲しいかね?」


とろけた瞳をロイに向けてエドはこくんとうなずいた。
その瞳の中にはいつもの彼はいなかった。

完全に墜ちてしまったのである。

ロイはエドの乳首を押しつぶしはじめた。
完全に立ち上がったソコはコリコリとエドの胸の上を転がる。


「あっ、はぅ…もっと…痛く、して…」
「痛くされたいのか?」

そう問うとエドはこくりとうなずいた。

ロイはエドの乳首をつまむとおもいっきり引っ張りあげた。

「あぅ、あぁあ!」


口の端からよだれをたらしてエドはその様子を見ている。
ロイは限界まで乳首わ引っ張りあげると、人差し指と親指でグリグリと押しつぶした。

「やぅ、きゃうあぁぁっ!」

エドは大きく目を見開き胸に与えられた刺激だけで達してしまった。
ぴくりぴくりと体をけいれんさせながらエドは荒い呼吸を繰り返す。

「気持ちよかったかい?」
「…ん、いぃよぅ…」

ロイはエドの顔を自分の方へ向けさせる。
「ほら、君は無理にこうしないと素直にならないだろう?」
「────っ!」


そういわれて正気に戻ったエドはかっとしてロイをにらんだ。

「無理矢理しなくても私の前では素直になれば良いではないか?実際君は精神的にかなり追いつめられてい──…」
「そんなことない!」


そんなことは、ない。
自分は大丈夫だ。
俺は強い、いつまでも大丈夫──…


「自分自身気付いていないだけだ!ならばなぜ、先ほどシチューを食べて母親を思いだし涙する?!」


反論できなかった。

負けず嫌いなエドはそれでも何か言おうと口を開いた。

「なんで大佐が俺の心配する必要があるんだよ!?俺がどうなろうと大佐には関係ねぇじゃないか!」

そう言い返したが、ロイは何も返してこない。

「な、なんだよ…」

漆黒の瞳に見つめられて身動きが取れなくなる。
吸い込まれてそうな、そんな気がした。
やがてロイはゆっくりと口を開く。

「君は私の有能な部下だ。君も私の管轄内だと思ってね。そういうことだ。…まぁこんな事を言っても君は納得しないだろうがね」

その言葉にエドはなぜか腹がたった。


部下だから?


そう思ってしまった自分に驚き、気持ち悪くてエドはロイに八つ当たり半分に罵声を浴びさせようとした。


───が。


そこにあったのは大佐としてのロイ・マスタングではなく男としてのロイ・マスタングだった。

冷や汗が背中を流れ落ちる。

エドは本能で悟った。

めちゃくちゃにされる。

そう思った途端、エドはベッドから逃れようともがいた。

「いやっ…いやああぁぁっ!」

しかしロイがそれを許すはずがない。

エドをがっちりと押さえ込むと胸ポケットから万年筆を取り出し、シーツに錬成陣を描く。
そして両手首を一つにつかみあげ錬成陣の上に押さえつけた。


バリッ!!


嫌な音がしてエドの手首はシーツに縫い付けられる。
いくら逃れようとしても逃れられない。
ロイはエドを見てくっと笑った。

いきなりロイの長大なモノが後孔にあてがわれた。
ひっと息を飲む音が聞こえる。

「このまま入れたら裂けてしまうだろうな」
「やだっ…やめて…っ!」
「ほぅ…嫌、か」
「ひっ…ひどくしないで…お願いぃ…」

ロイは後孔からソレを離すとエドの性器をやんわりと揉みしだきはじめた。
先ほど放ったばかりの蜜がくちくちめ粘着質な音を立てている。
若い性器は少し刺激を与えただけで勃ちあがった。
快楽にふるえるエドを見てロイは手を離してしまう。

「あっ……」

不満気な声があがる。

「君だけ気持ちがよいのはずるいな。私も気持ち良くしてくれ」

そういってエドの口に自らをねじ込んだ。

「んんん──っ!!?」
「歯を立てたら怒るぞ」
「んぅ…うぅっ…」

ぽろぽろと涙をこぼしながら男根をくわえる少年の姿は非常に扇情的だった。
ロイのモノが高度と大きさを増す。
するとエドの体がふるふると震え始めた。
少年の顔は恍惚としており、下肢をみると先端からぽとぽとと白い液体を流している。

「私のをくわえて感じるのか?淫乱だね、鋼の」
「んぅ…ふうぅっ!」

手をのばしてふにふにと柔らかく揉みしだいてやる。
そのたび白い淫液がエドからあふれてロイの指を汚した。
その様があまりにもいやらしく、ロイは不意にエドの口に精を放ってしまった。

「んむむ〜っ!?」

ドロリと白い精が口からあふれた。

「ッ!かはっ…」

気管に入ってしまったのか、エドは激しくせき込んだ。

「すまない、鋼の」

そう言ってロイはエドを優しく撫でてやる。
やっと落ち着いてきたエドの耳元でロイは低くつぶやいた。

「さぁ、君もイきたいね、エディ?」
「あふっ!」

その声にまで感じてしまってエドは軽くあえいだ。

「しかし、私がいつものようにイかせるのは芸がないね。自分でしてみてはくれまいか?」

かぁっと顔が熱くなるのを感じる。

ロイはエドの手を戒めていた錬成をとき、幼いソコへ導いた。
そのまま手を重ねて上下に動かす。

「あッ、アァッ!」

ぴくぴくんっと体をふるわせてエドはすぐに精を吐き出してしまった。

「早いよ、エディ」

苦笑しながらロイはエドに言った。

「仕方がない。じゃあエディ、お尻の中を私に見えるようにしたまえ」

エドは恥ずかしそうに尻を持ち上げ、双丘を両手で割り開いた。
赤く腫れてひくひくとしている後孔がロイの目にさらされる。

「それでは中が見えないよ?」

そろりとエドの指がアヌスの中に入り込み、2本の指でぐっと広げられる。

「あっ…!」


また。
また勃起してしまう。


そう思ったとたん、ロイの指がエドの後孔に突き刺さった。

「あああぁっっ!?」

ぬるりとしたクリームが膣の壁全体に塗り込められて行くのを感じる。

くちっ…とひめやかな音をたててロイの指が引き抜かれた。

「な、に…ッ!!ひあぁっ!!?」


中が痒くてたまらなくうずき始めた。
エドはロイの目さえなければ自らかきむしりたい衝動に駆られる。

「なに…塗って…!」
「精液で中和できる薬だ」


そん…な…


エドは顔を青くした。

「さぁ、どうするかね?」


選択肢は一つしかない。

エドは尻を突きだしてロイに請うた。

「大佐の…ください…ッ!」

ロイはエドの上に覆いかぶさり自身を一気に挿入する。

「ふああぁぁぁ!!!」

小さく狭かったはずの後孔が無惨にも割り開かれる。

「嫌だ…ぁ、あっ…ひぃっ!」

「嫌?こんなに吸いついてくるのに?」
「ひい…っ、んんっ!」


エドは首を大きく横にふった。
そんなはずがないと否定したいのに体は言うことを聞いてくれない。

「やだぁ…アッ!?」

狭い後膣にくわえているロイのモノがさらに質量を増す。

「おっき…くしな…でぇ…アゥッ!!」
「私にも薬は効いているのでね?」

珍しく余裕のない顔でロイは言った。
エドの両足首をつかむとこんなにかと言うくらい大きく開脚させ、根元まで完全に埋め込む。

「さぁ、君は何がほしい?」


漆黒の瞳が淫媚にエドを誘う。

「ほら…言ってみなさい」
「たぃ…さのせー…き、くださいぃ…ふぇっ…ッ」

早く、と誘うように腰が揺れ動く。

「淫乱だね、エドワード」

にぃっとロイは笑うと腰を揺さぶり始めた。

「あッ、ああァっ!!」

後孔が熱くて、とろけてしまいそうな感じに捕らわれる。
ぬるつくソコはロイをきつく締め付けた。

感じすぎておかしくなってしまいそうだ。


「やだっ…はやくちょうだい──ッ!」

エドの指はきつくシーツを握っていたためか白くなっている。
めちゃくちゃに自ら腰を揺れ動かし、懇願するエドの姿にロイも達しそうになる。

「──ッ、イクぞっ!」
「ちょうだいっ、ふぅっ!?あああぁぁぁっ!」
「くぅっ…」

エドが放つと同時にロイもエドの中に精を注ぐ。
荒く息をつくエドを抱き起こし、騎乗位の形で再びつながる。

「やあぁぁっ!」

先ほどの名残もあり、エドはロイをずぶずぶと飲み込んだ。
ぬるつく内壁が包み込む。

「やだっ…もぅだめぇ…」

「何がイヤなのかね?こんなにしてるのに?」

そう言って下からゆるく突き上げた。
ぐちゅっと水音が部屋に響きわたる。

「やだっ…また、イっちゃぅ…」
「それはだめだ」

ロイの手がエドを戒める。
根元をきつく握られ、エドは悲痛な叫びをあげた。

「あぅっ!な…んで…?」
「君はさっき私がした要求を覚えているかね?」

エドはうなずく。

「同意は?」
「するからぁ!はやく…」

腰を揺さぶりロイにねだる。

「同意してくれるのはよい。しかし信じられないのでね、そこの契約書にサインしたまえ」


「なッ!!?」

驚きをを隠せない、そんな表情でエドはロイを見る。

「してくれないと交渉決裂だな。さぁ、どうする?」

唇をかんで、エドはサイドテーブルの上に置いてあるペンをつかんだ。
サインをしようとしたとき。

「あぁぁあ!?」

体に電流が走る。
ロイがゆるくエドを突き上げたのだ。
ペンが止まり、その場にインクがたまる。

「さぁ、早くしたまえ」
「やだっ…動くなぁっ!」

震える手でゆっくりサインをする。
その間中ずっと中にいるロイを意識してしまい、悩ましげな吐息が漏れた。

「ほ…ら、書いたからぁ!」

ペンを置き、ロイに契約書を押しつける。

「だからはやくぅ…」

ロイがそれを見ると、震えてはいるが確かにエドの字だった。

「よい子だ、ご褒美をあげよう」

くっと笑ってロイは律動を開始した。
熱く太いソレがエドのアヌス内すべてを犯す。

「あぁっ、ヒッ、ゥ!!」

やっと与えられた快感にエドは悦んだ。
騎上位のため挿入が深く、苦しそうにエドはあえぎをもらす。

「あっ、おなか…苦し…ッ、ひぅぅ!」

しかし、その苦しさも快感に変わる。

へそより少し下あたりを強く押しながら抽挿を繰り返した。

「だめっ、それだめぇぇ───!!」
「そんなに…死にそうな声を出すな…」

片手で優しく頬を撫でてやる。
すると止まっていたエドの涙が再び瞳からあふれた。
意外な事態にロイは驚く。

「…どうした?」

一度動きを止め、繋がったままロイは上体を起こした。
嗚咽をもらしながら泣くエドをそっと抱きしめてやる。
抱きしめたその体は思っていた、それ以上に小さく、細くて。

そんな彼の精神面を無理矢理にでも楽にしてやる…そういう計画のはずだった。


───これ以上冷たくしている必要はないな…


彼は契約を交わした。
あとは自分が優しく、壊れかけた彼の心を癒やしてやるだけ。
きれいな金糸をなでながら、もう一度尋ねる。

「どうしたのかね、ん?」
「わかんな…ひっ、う…ね、それより早く…シテ…」
「だが…」
「お願い!」

大きな声で叫ぶとエドは自ら腰を使い始めた。

「おねがい…はやく…」

ポロポロと涙を流しながらエドはロイに懇願した。

仕方がなく、ロイはエドの腰をつかみ上下に動かす。

「はぁんっ!アアッ!ひっく…」

嗚咽まじりのあえぎ声があがる。
ロイはエドの幼い性器を同時に攻めたてた。

「ああぁぁっ!」

エドは先端から軽く精液を漏らす。
何かにしがみつきたくてエドはロイの胸板にしがみついた。
とたん。

「ヒゥッ!?」
「…くっ…」

ロイのモノが大きさを増す。
しがみついたとき、エドの爪がロイの乳首をかすめたのだ。

「大佐も…乳首感じるの?」

見上げるとロイはエドから目をそらしてしまった。
しばらく部屋を沈黙が支配する。

先に動いたのはエドだった。
ロイにおおいかぶさり乳首に舌をはわせる。


ピチャ……


ひめやかな水音が響き、ロイの息が詰まる。

「…ッ、やめなさい」
「たいさも…気持ち良くなって…?」

けなげに赤い舌をちらつかせながら上目使いでロイを見る。

「だったらそのまま耐えなさい」
「え…あぁっ!?」

再び律動が開始される。

「きゃうっ、あぁんっ!」

腰を振りながら同時に自らのペニスもロイの腹にこすりつけた。
ロイのペニスがエドの一番感じるしこりを突き上げた。

「はぐっ、ああっ!」

エドの体に一層強く力が入る。

「だめっ、イク、いくっ、アッ…」

後孔がきゅぅっ…としまり、白い喉筋が反り返る。

「ハッ…ああああぁぁぁっっ!」

びくびくっと体が跳ね上がり、桃色のペニスの先端からは白い蜜が勢いよく吹き出す。
同時にロイもエドの中に熱い飛抹をぶちまけた。

「あっ…あんっ!」

その感覚だけでもエドは感じて声をあげる。
ペニスの先からはいまだ精液がトロトロとあふれだした。

「あ…つぃ…あふ…」

ロイの精液を受け止めながらエドはロイに抱きついた。

「大佐…あの、ね…ありがとう…」
「私はなにもしていないよ」
「でも…」

そういってエドは顔をあげた。
いまだ涙で濡れた瞳がそっと細まる。

「なんかちょっと楽になったよ」


それからエドはぽつり、ぽつりと自らについて語りだした。


幼き日に出ていった父のこと

人体錬成を行った日からの心境、生活の変化

自分が背負っていこうと決めたとき


そして…



とても辛くて苦しかったのに強がっていたこと



「本当は誰かに助けて欲しかったんだ…一人でそんなに背負わなくて良いって」

エドはちょっと自虐的に笑った。

「でもどんなに願ってもそんな存在は無いと思ってたんだ。なのに大佐が…」

少し黙ったエドはふと何か思い出したようにロイを見る。

「なんで俺を助けようとしたの?なんで俺が苦しいって分かったの?」

そう聞かれてロイは言葉につまった。

ただ、彼が気になって仕方がなかったのだ。




純粋な彼


傷ついた背中



それになぜ気が付いたのか───…

なぜ、彼にそれ以上苦しんで欲しくないと思い、このような行動に出たのか…


だいたい分かっている、理由は。
しかし、彼にそれを伝えるのはまだ早い。
ふっとロイは笑うとエドの前髪をかきあげ額にそっと口づけた。

「────なっ!!?」
「そのうち分かるさ」

そう、言った。

そのロイのほほえみにエドがドキッとしたのはまた別の話である。





end


あきゅろす。
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