黒の感情6




ぐちゃぐちゃのペニスを扱き上げられて、俺は腰をベッドに擦り付けた。
もう限界だった、尿道が焼けて爛れたように熱い。

「だ、めぇえ!出るっ!」
「ふふっ、可愛い」

精液がそこまで出かかったペニスを指先でぴんっ、と弾くと古泉は手を離してしまった。
追いつめられていたのに刺激を止められて、俺は眉を下げる。
イキたくないと言いながら、やっぱり心の中ではイキたかったのだろう。
仕方がない、男の性だ、諦めろ。

「なんで、やめる…!?」
「こっちも可愛がってあげたいので」

にこり、と笑うと古泉はツン、とペニスよりさらに奥まった場所を撫でた。
驚いた俺は腰をびくつかせ、上体を持ち上げる。
男同士での性交でここを使うのは知っていた。
いつか古泉と両思いになったらここを使うのかな、と思って自分で触れたこともある。
でも、でも、こんな状況で触られたくない。
こんな、無理矢理、レイプみたいなのは嫌だ。

「や、やらあぁ!」

つぷ、と音を立てて中指が体内に埋まったのが分かる。
古泉はおや、と首を傾げて笑った。
絶対に気づいたんだ、俺が後ろもいじっていたことに。
そう思えば、恥ずかしさやら何やらで涙があふれる。
こんな仕打ちを受けるだなんて思っても見なかった。
もう、死んでしまいたい。

「後ろ、柔らかいですね?」
「ちが、うぅ!いや、あぁ!」
「あなたの一番良いとこはどこなんですか?」

指の根元までぬぐぐ、と押し込むと、古泉はにこりと笑って訪ねてきた。
そりゃ、自分では分かってる。
今古泉がいじっているとこより、もう少し浅めの上の方。
でもんなこと言えるか、教えてやるもんか。
だって、古泉にそんな感じるところをいじられたら。

(おかしくなるくらい感じてしまう)

そりゃもう、はしたなく気持ちいいと叫んで、壊れるくらい震えが止まらなくなるだろう。

「教えて下さるまでこのままです」

古泉は中に指を突っ込んだまま、動きを止めてしまった。
異物感のみが残って気持ち悪い。
むしろそのままやめてしまえ。

「も、やめろよ…!」
「おや、良いのですか?あなた自身、僕が欲しいでしょう?」
「いら、いらない…!」

ふるふる、と首を振って俺は古泉を拒絶する。
嫌だ、もう耐えられない。
俺は古泉が好きなのに、好きだからこそ抱いて欲しいとは思うけど。

だけど、古泉は俺の気持ちを知らない。
俺だって、古泉の気持ちが分からない。

こんな、お互いの気持ちが分からないまま押し倒されるのは嫌だ。








続く


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