黒の感情4




「や、嫌だ…!」
「ふふ、こんなに触って欲しがっているのに?」
「ひぃ!」

ぎゅ、といきなりそこを摘まれて、俺は息を詰まらせた。
背筋がぞわぞわする、何だコレ。
こんなところで感じてしまうだなんて、女の子みたいだ、嫌でたまらない。
眉を下げて古泉にやめろと訴える。
しかし、聞き入れてもらえるはずもなく、それどころか奴は俺の胸板に唇を寄せていた。

「な、にす…!!」
「美味しそうなのでいただきます」
「ひゃあぁ!や、め…!」

いきなり乳首を口に含まれる。
ぬるり、とした舌に乳首を絡め取られ、ころころと転がされた。
じん、と下半身に響く。
こんなので感じたくなくて、俺は唇を噛み締めた。
とにかく、この刺激から意識を逸らさねば。
しかし、古泉が易々とそうさせるはずもなく、カリ、と乳首を軽く齧られて俺は情けなく悲鳴を発した。

「や、やぁあ!噛む、なぁ!」
「ふふ、食べてしまいたいくらい可愛いですね、ココ」

犬歯で柔く乳首を挟み込み、古泉は上目遣いで俺を見上げた。
完全に恐怖に怯えている俺の表情を伺いながら、噛む力を徐々に強める。
次第に犬歯が肉に食い込み始めて、俺はとうとう泣きじゃくり始めた。
本当に、本当にみっともない。
ぼろぼろ涙を流す俺を面白そうに見つめながら、古泉は一度キュ、と強く乳首を噛むと、すぐに口を離す。
しかし、少しの刺激でもショックを受けた俺はびくっと体を波打たせて目を見開いた。

「おやおや、まだ大切なところまで行き着いていないのに、もうこんなになっちゃったんですか?」

くすくす笑いながら、古泉はなぜか嬉しそうだ。

「だってあなたが思っていた以上に感じてくださったので」
「ふ、ざけるな…」

漸く乳首を開放された俺はちょっとした安堵から、力を僅かだが抜いてしまう。
そこを見逃すはずなく、古泉は力が抜けた俺の両足を思い切り開いた。
突然のことだったので、咄嗟に反応できず、抵抗も出来ないままに両足は開かれてしまう。
恥ずかしい、絶対に見られたくない部位なのに。

「や、やだああぁ!」
「ふふ、ちょっと勃起してるじゃないですか、好きなんですか、ここ?」

ゆるく舌で乳首をなで上げられながら、奴の手はついに俺の下半身にたどり着いてしまった。
混乱した俺はばたばたと暴れた(つもりになっていた)
実際のところ、動きたくても動けなくて古泉にされるがままなのだが。
ゆるく勃ちあがったペニスを裏筋からするりと撫でられれば、たまらない快感が背筋を駆け抜けて、俺は細く喘ぎ声を上げた。

「はっ、あううぅう!!」
「あは、また大きくなりましたよ?」

嬉しそうに語りながら、古泉は俺のペニスをじっと見つめる。
恥ずかしい、そんなに見られたら、感じてしまう。

いくら、無理矢理押し倒されていても。
いくら、無理矢理犯されても。

好きな男に見られたり、されたりすれば否応なく感じてしまって。
そんな自分が本当に気持ち悪くて、俺はソファに顔を埋めた。









続く



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