気づいて24




「大丈夫ですか…?少々無理をさせてしまいました…」
「ん…大丈夫…」

ぐったりした俺の頭を撫でながら、古泉はペニスを引き抜いた。
引き抜かれる感触にまた感じてしまって小さく声が漏れる。
古泉はそれをにこにこしながら見つめてくるもんだから、俺は恥ずかしくて顔を背けた。

「可愛いですよ…?僕はあなただけ、愛しています」

顔を耳元に寄せて、小さく、優しく呟かれて。
かあぁっと耳も、顔も真っ赤に染まったのがわかった。
どうしようか、俺もなんか、言った方がいいのだろうか。
だったら、なんて言えばいい?
やっぱり、愛してる?

「あ、ぁあ、あい…」
「無理しなくて良いですよ」

古泉は眉を下げて、おかしげに笑った。
違う、俺が言いたいんだ。

「あ、いしてる…俺だって、おまえしか…!」
「キョン君…」
「本当に寂しかったんだ、苦しかったんだ!」

俺は、 こないだまでの気持ちを吐露した。


寂しかった事、悲しかった事
苦しくて苦しくて、何を食べても喉を通らなかった事
不安に押しつぶされて、お腹が痛くなった事
毎晩、毎晩古泉のことを思って泣いた事

触って欲しかった、好きと言って欲しかった、俺だけ愛してると言って欲しかった


「本当に、怖かったんだ…!」

ぽろぽろ、と涙が溢れた。
酷く、混乱しているのがわかる。
でも、止められないし、止まらない。
俺の苦しかった気持ち、わかって欲しかった。

「甘い、匂いがして…!浮気してるのかと思うと、うまく笑えないし!」
「僕も早く気づいてあげられたら良かったんです…」
「も、ばかぁ!」

どんっ、と古泉の胸を叩いて、俺はそのまますがりついて泣いた。
そんな俺を柔く抱きしめて、古泉は頭をよしよしと撫でてくれる。
そうしてもらっているうちに、少しずつ落ち着いてきて。

「…ごめん、取り乱した」
「いえ…僕に落ち度があったんです、本当に申し訳ないです…」

古泉は俺の左手を取り、薬指に口づけて。

「もう一度、あなたにプロポーズしてもいいですか?」
「…へ?」
「あなただけが好きです、ずっとあなただけを愛し続けますから…だから僕と一緒にいて下さい」
「…っ!」

かあぁあ、と顔が赤く染まった。
どうしよう、嬉しくて涙が溢れる。
ぎゅ、と抱きしめ返して必死で頷いた。

「好き、好き…!俺を一樹のものにして…」

そう言うと、激しく口づけられた。
いとおしさが唇から伝わる。


大好き、大好き。


ずっと俺はおまえのもの。
おまえはずっと俺のもの。






言葉じゃなかなか言えないけれど。

朝、早起きして朝ご飯をつくることとか、毎朝キスして送り出すこととか。

抱きしめる力の強さとか、セックスの時の感じ方とか。

すべての俺の表情、態度から。


古泉の事が大好きで、愛おしくてたまらないことに。



気づいて?













end


















長々と申し訳ありませんでした。
読んで下さったみなさまに言い尽くせないほどの感謝を込めて。

ありがとうございます。


あー谷口のその後とか、気が向いたら書きたい。


あきゅろす。
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