気づいて20



「こんなの、いやぁ…!」

何度も言うが、恥ずかしくてたまらない。
こんな感じてしまう自分なんて知りたくなかった。
でも、古泉が触れる度、古泉が囁く度に熱が上がっていく。
これはもう、止められない。
潤んで仕方がない瞳を古泉に向ければ、こいつも信じられないくらい欲情しきった、いやらしい視線で俺を射抜く。
じくり、と下半身が痛んで、また熱が上がってきた。

「ど、しよう…!」

熱くて仕方がなくて、早く気持ち良くなりたくて。
もっと触れと言わんばかりに腰を振って誘う。
そんな俺の痴態に古泉が喉を鳴らした。
うれしい、もっと俺だけ見ていて。

「キョンくん…気持ちよさそうですね」

にこりとそう言われれば、言い返す言葉もなく、俺はかすかに頷く。
古泉はにこりとと笑うと、先ほどの粘液をぬるりと後孔にあてがった。
蕾をゆるりと撫でると、くいっと指先に力が込められる。
ぬぐ、と襞を割って古泉の指が進入してきて息が詰まった。

「ひぐっ、うぅ…!」
「ちょっときついですね…」
「だっ、てぇ…!してくれなかったから…っ!」

そう言うと、古泉の顔が情けなく歪められた。
古泉の泣きそうな顔に、俺まで泣きそうだ。
胸がいっぱいになって古泉にきつく抱きついて。
今までの悲しい、切ない隙間を埋めてほしい。

「今まで以上に愛してよ…!」

そう、恥ずかしくても頑張って言ってみる。
驚いたように目を見開いた古泉は、また苦しげに眉を下げてから激しく口づけてきた。
と同時に、中にあった指がゆるゆると動き出す。
ゆっくりと、傷つけまいと動くそれが今の俺にはもどかしい。
もっと、もっと激しくかき回して。
無茶苦茶でもいい、激しく愛してほしい。

「もっと、もっとしてくんなきゃやっ…!」
「キョン君!?」

わざと尻に力を入れ、古泉を誘う。

言っただろう?
恥ずかしくても、古泉のためなら何だってしてやるんだ。
離したくない、そばにいてほしい。
もっと、好きになってもらえるように頑張るから。

こんなにも古泉をつなぎ止めたくて、必死な自分なんて醜いと分かっているけど。
でも。

「好きなんだ、お前じゃないとだめなんだ…」

胸が苦しくてたまらなくて、俺は相当変な顔をしているに違いない。
しかし、古泉は愛おしげに俺の頬を撫で上げてくれる。
その感触が余りにも優しくて、暖かくてさらに涙があふれた。

「いつも通りでいいんです、僕はどんな貴方だって愛してるから」

その言葉にまた涙があふれた。
きゅ、と抱きつくと耳元で「そろそろ動かしても良いですか?」と問われる。
俺は無我夢中で頷いていた。










続く


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