気づいて5.5



「すみません…すぐに楽にして差し上げますから…」

こぼれ落ちる涙を親指でぬぐってやりながら、僕は彼のペニスを擦り上げる。
彼の好きな先端部分と裏筋を同時に刺激してやると、簡単に精が吐き出された。
これではペースが速すぎる。
このまま達し続ければ、確実に彼の負担が大きい。
僕は悩みに悩んで、仕方がなく彼が前買ってきたチョコレートの包装用のリボンを取り出した。
それをペニスの根元に巻き付けて、きゅっときつく縛り上げる。
何をされているのか全く分かっていない彼は、ぼんやりとその様子を眺めていた。

「あなたが少しでも辛くないための工夫です…良いですか?」

そんなこと聞いても分かってない癖して、彼はこくんと頷く。
可愛くて、彼の頭をよしよし、となでてやると。
ふんわりと嬉しそうに彼は笑った。
ぎゅう、とから心臓が締め付けられるのを感じながら、僕は先ほどのセックスで濡れそぼったアナルに指を伸ばす。
ぐちゅぐちゅにとろけているそこは、再び前戯する必要はなさそうだ。
しかし、もしもの事があって彼をこれ以上傷つけたくない。

「少し慣らしますね」
「…ん?んあ、あ、アァア!?」

指を三本一気にねじ込むと、艶めかしい叫び声があがり、体が跳ね上がった。
とりあえず傷が付かないようにと入り口を解すように指を動かす。
それでも感じるのか、頭を激しく左右に振りながら彼は悶えた。
苦しそうに喘ぎながら、腰をよろよろと振りながら。

「奥、が…ほしい…!」

譫言のようにそう呟き、涙を流す。
物欲しそうに僕の方を見つめてきて、視線は下半身に釘付けだ。
非常に分かりやすい彼の行動に、指を引き抜き、代わりにペニスをあてがう。
期待したように蕾は息づき、ヒクヒクと僕のペニスに吸いついた。

「欲しいですか…?」
「欲しい、おちんちん欲しい…!」

彼は欲しい、欲しいと泣きわめき、縛られたままの両腕をぐいぐいと動かした。
もう縛っておく必要もなくて、するりと拘束を解ってやる。
すると、驚くことに彼はぎゅう、と僕に抱きついてきた。
僕のことなんかどうでも良いくせに、と一瞬頭の中をよぎる。
しかし、今の彼は、彼であって彼ではない。
完全に自我をなくしてしまった、かわいそうな僕のお嫁さんなのだ。

「これ、あげますね」
「はや、くうぅ!はひっ、あ、らめえぇ!」

いやらしく焦点の合わない瞳を揺らめかせて、口の端から唾液を垂れ流し、頬を赤らめて喘ぐ彼の姿を見て僕が我慢できるはずがない。

(だって、僕はまだ彼が可愛くて愛おしくてたまらないのだから)

思い切り足を広げさせると、一気にペニスで彼の中を犯した。









続く


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