枯渇
「君は何度私に心配をかければ気がすむのかね?」
中央病院の一室に低い声が響きわたる。
先ほどまでは穏やかな空気に包まれていた病室に一瞬にして緊張がはしった。
それはきっとこの男からにじみ出ている怒気のせいであろう。
数日前、セントラルに戻っていたエドワードはいらない喧嘩に首を突っ込んで発砲されけがをした。
大事にはいたらなったものの全治二ヶ月の怪我。
エドワードが発砲された、それだけしか連絡の入らなかったセントラルのロイの執務室はロイを含め、他の部下がどれだけ心配したか。
ロイに至っては愛しい恋人が発砲されたと言われたら、当然仕事に手が付かない。
はやく病院に行きたいと思いながら会議に出席し、病院に駆けつけたら手術中。
ここまできたら、人間は最悪の事態しか想定できない。
イライラしながら待つこと五時間、深夜一時。
勢いよく開けたドアの先には…
「おっす大佐、どしたの、そんなに慌てて」
で、今に至る。
「君は私の胃に穴を開けたいのかね?危険なことには首を突っ込むなとあれほど言っただろう!君には私の言ったことが伝わっていなかったのか?!」
「ご、ごめん…」
「謝ればすむ問題じゃないだろう!」
ロイはゆっくりと、確実にエドワードに歩みよる。
身の危険を感じたエドワードもまた、ベッドの上で後ずさる。
とんっ…と背中に壁が当たった。
逃げ場はない。
「自分がどれだけ酷いことをしたのか…君は頭で理解することが出来ないみたいだね。体に教え込んでやろう。」
目を見開いてカタカタと震えるエドワードにロイは残酷な笑みを浮かべた。
ロイはポケットから一つの瓶を取り出した。
みた感じ、栄養ドリンクのようなものだ。
ロイは蓋を開けるとエドワードに押しつけた。
目が飲めと言っている。
エドワードはおそるおそる受け取ると少しずつのみ下した。
すべて飲み終えると空になったビンをロイは取り上げて後方に放り投げた。
カランッ、と音がし、ビンが床を転がる。
「な、なに飲ませたの…?!」
「君のココがぐっしょりになる薬だよ」
エドワードの股間をまさぐりながらロイは言った。
「やっ…やだぁ…ッ!」
媚薬だ、そう思ったエドワードは果てしない絶望を感じ、呆然とする。
これを飲まされたらエドワードはどんな状況であっても男を求めてしまう、ほしくなる。
気絶するまで。
「やっ、びやくやだあぁっ!」
「媚薬…?違うよ、あれはあとであげよう」
確かにいつもロイかエドワードに服用させている媚薬であれば、すでに強烈な射精感に襲われているはずだ。
ふと、エドワードは下腹部に違和感を覚える。
「あっ…!?」
「ん…効いてきたかね?」
「あんた、さっきのもしかして…っ!」
「あぁ、利尿剤だ」
「いやっ、離して──ッ!トイレ…」
しかし、ロイはエドワードを離すはずなく、そのままベッドに押さえつけてズボンを下着ごとずりおろした。
めずらしく勃起していないエドワード自身が現れる。
ロイはすかさず手を伸ばすとぎゅうっとエドワード自身を握り込んだ。
ぷちゅっ…と先端が濡れる。
「ほら、出して良いのだよ?」
「だせ…わけないだろっ!ンアッ!!?」
ロイがエドワードの下腹部をきつく押さえつける。
びくりとエドワードの体がこわばった。
「やだっ、おしっこでちゃうぅ────…っ!」
シーツをきつく握りしめて耐える。
が、先端を濡らす尿が止まらない。
少しずつ、しかし確実にエドワードの股間は濡れそぼつ。
もう限界だった。
「でちゃ…おしっ…こでちゃ…うぅぅッ、ああぁ───っ!!!」
ぴゅくぴゅくっと液体が弧を描く。
腰を浮かせ、ついにエドワードは尿を放ってしまった。
「やだっ…やだあああ…」
グショグショになった自分股間とシーツに目をやってエドワードは泣きじゃくった。
「お漏らししてしまったね、エディ…恥ずかしいかね?」
ロイは再びエドワード自身に手を伸ばし、快楽を与える。
「ほら、言ったとおり君のここはぐっしょりだ…精液ではなく尿、でね?」
「やだ、見ないで、触らないでえぇ…あぅっ!」
若い体は少し刺激を与えてやるだけで元気になる。
ぐうっとたちあがったペニスの先端からは尿とは違う、ぬるついた透明の液体があふれる。
それをすうっと指ですくうとロイは自らの口に含んでしまった。
「───ッ!?」
「おしっこと先走りの味がしておいしいよ、エディ」
それを聞いてエドワードの顔がくしゃっとなる。
手で自分の顔を被い、嗚咽をもらしながら泣く。
恥ずかしくて死んでしまいたい。
しかしロイはエドの左手をつかみ、被う手を取り払ってしまった。
「痛ッ!」
「あぁ、すまない。こちらはけがをしているのだね」
左の腕に巻かれた包帯を見てロイは力をゆるめた。
それにともない自然とエドワードの体からも力が抜ける。
それをロイが見逃すはずもなく。
ロイはエドワードの両足首をつかみ、思いっきり左右に割り開いたとたん、エドワードの幼いペニスにしゃぶりついた。
「あうぅぅっ!汚い…汚いよぅっ!!」
嫌がって暴れるエドワードを黙らせようとロイは中指と人差し指をエドワードの口内につっこんだ。
その指先にしっかり媚薬を摘むこと忘れずに。
喉奥に押し込むとエドワードは苦しくなって飲み込んでしまった。
「ほら、今度こそ君の好きなお薬だ。これを飲んだらどんな状況であっても気絶するまで欲しくなるのだね?…淫乱」
バカにしたようにロイは鼻で笑った。
カッときたエドワードはロイをベッドの上からつき落とす。
「帰れっ!」
「ほう、帰って良いのかね?では帰らせてもらおう」
すくっと立ち上がるとロイは乱れた着衣を整え始めた。
脱いでいた上着を着ようとして手を止める。複雑な表情でこちらを見ているエドワードにそれを投げた。
「毎日身につけているからね、おかずにでもしたまえ」
「なっ───ッッ!?バカにすんなっ!」
投げ返したがロイが出ていったドアに当たって落ちただけだった。
バカにされてカーッと頭に血が上る。
まるで自分のことを淫乱娼婦であると言われたような気分で。
目頭がじんっ…と熱くなる。
泣きたい気分だった。
なのに。
“やっ…した……いぃ…ッ”
薬のせいで熱が中心に集まる。
したくない。
絶対にしたくない。
しかし、エドワードの意志とは反して手はすっと下肢におろされる。
一瞬戸惑ったが、思い切って自らをきゅっと握りしめた。
「あっ…ッ!」
とろりと白濁が先端から伝う。
限界だった。
ロイの飲ませた媚薬はいつもの物より強いもので。
溺れたようにエドワードは自らをしごいた。
ほんの少しいじっただけでエドワードは達してしまう。
「ひゃああぁぁーっ!ッン…」
達しても満足にイけない。
こういう時にロイは優しく、激しく自分を愛してくれたことを思い出す。
「ロイィ…───」
切なくなってエドはロイの消えていったドアに目をやる。
ふと床を見るとロイの軍服。
“オカズに使いたまえ”
そんな屈辱的な台詞も媚薬のせいで頭から抜け落ちる。
ふらふらとエドワードはドアまで歩いていくとロイの軍服をたぐりよせた。
それを再びベッドまで持ち帰るとエドワードは軍服を抱きしめ、ベッドに身を投げる。
抱きしめた軍服からはロイの香りがして。
「あっ…ロイのにお…ぃ」
まるでロイに抱きしめられているみたいだ。
そんな錯覚を起こす。
エドワードはゆっくりと自らの指を後孔に挿入した。
精液と尿でぬるついた指を容易に飲み込んだそこを乱暴にかき回す。
「やぁ、はぅっ!ロ、ロイ…もっとおぉ…ッ!」
軍服に顔を埋め、ぐずぐずになった後孔を三本の指で犯す。
ペニスがふるっ、とふるえた。
限界が、キタ。
「ゃ、いっちゃう…イ、…っあああぁぁぁっっ!!!」
びくんっと体をはねさせ、エドワードは達した。
未だ先端からトロトロと精液を溢れさせる。
ロイの軍服に顔を埋めてロイを感じようとする。
「あっ…はぁ…まだ、足りないよぅ…」
もっと太いソレで後孔をいっぱいに満たしてほしかった。
しかしロイはいない。
満たしてくれないのだ。
媚薬がまわったこの状態ではエドワードにとっては地獄同然。
何でもいい、ぐちゃぐちゃに掻き回せる物を…
しかしここは病室。
そのような物はどこを見ても見あたらなかった。
はぁはぁと息を乱れさせながらエドワードは両手をあわせた。
ベッドの金属で錬成したソレはロイのものの太さに匹敵する。
エドワードはためらうことなくソレを口に含むとゆっくりと抽挿を始める。
そのまま自らの後孔に手をのばしぐちゃぐちゃにかき回す。
「あっ…はぅっ!もうほしい…ッ!」
十分に濡れた錬成物を後孔にあてがうと一気に挿入する。
ぐぬっ、と後孔が割り開かれロイのペニスを模したモノがエドワードを犯す。
「ア゛ァっ!いやっ、おっきいよぅ…」
ぐぷぐぷと動かしながらエドワードは喘ぐ。
赤く張りつめたエドワードのソレからはぽたぽたと精液が垂れる。
限界だという印。
しかしうまく手が動かず、一番イイところに届かない。
「イきたい…イきたいよぅっ!ロイィ…」
ロイの軍服をたぐりよせ胸一杯に彼のにおいを吸い込む。
香水を少し混じらせたロイのにおい。
たまらなくなる
「ひぁっ!?」
不意に先ほどの羞恥を思い出す。
利尿剤のせいであったとはいえ相当恥ずかしいことをしたのだ。
シーツが濡れて冷たくなっていた。
そこで、ふと自分がどれだけロイにひどいことをしたのかを理解する。
いつも心配をかけて。
なのに心配したことがバカバカしくなるような自分の態度。
胸が締め付けられる。
本当に自分は最悪な傷付け方をしたのだ、恋人に。
胸がかあっとなって目頭が熱くなる。
「ふっ…ぁ…ごめ、なさいぃ…」
ぎゅうっと握りしめたロイの軍服にしわが寄る。
軍服に顔を埋め、エドワードは泣きじゃくった。
このまま嫌われたらどうしよう
別れようと言われたら?
──…イヤだ…
「うっ…ぅ…ふっ…」
泣いているとキィッと扉が開いた。
そこにいたのはもちろんロイ。
「ふっ、やはりおかずに使ったんじゃないかね」
はっ、とバカにして笑ってみる。
しかし。
「…ひっく…ごめ、なさい…ごめ…っ」
先ほどとは違うエドワードの様子に怪訝がりながらロイはエドワードに近づいた。
「なにを謝っているのだね」
「おれっ…大佐にひどいことしたから…」
はぁ…とロイはため息をついた。
やっとこの小さい恋人は理解できたのだ。
どれだけひどいことをしたのかを。
「分かったのだね?」
「うん…ごめっ…ぅ…」
ロイはそんなエドワードの頭をよしよしと撫でてあげながら内心「可愛いなぁ…」などと不謹慎なことを考えていた。
「さっきの媚薬はまだ残っているのかい?」
「う、ん…」
そっとエドワードは自分の尻をロイの方に向ける。
そこにはもちろん先ほどの錬成物が深く突き刺さったまま。
「ロイのじゃなきゃ…イケなかった…ロイのが欲しいぃ…」
くちくちと自らの中にあるモノを出し入れしながらロイを誘う。
「淫乱だね、エドワード」
ロイはにやりと笑うと後ろに突き刺さっている錬成物を一気に奥まで押し込んだ。
「ひゃあぁっ!」
「これを何だと思って錬成したのだね?」
「あうぅ…」
ぐりぐりと中で回転させながら耳元で問う。
びくりびくりと体をはねさせ、エドワードはしきりに涙をこぼした。
「私のペニスだと思ってやってきたのだろう?」
「…ッ!違っ…」
「嘘はいけないよ?しかし、君のころ錬成物には一つだけミスがある」
「な…に…?」
ロイは錬成物をずるりと抜き去るとエドワードの後孔に自らをあてがった。
エドワードはひっ…と息をのんだ。
そのままロイのモノがエドワードの中に勢いよく入ってくる。
「やああぁあっ!おっき…ぃよぅッ!」
「私の方が一回りおっきいのだよ、この錬成物より、ね?」
奥の奥まで押し込むとロイはゆるやかにエドワードを突き上げた。
軽く精液が飛び散る。
エドワードの口の端から飲み下しきれなかった唾液が伝った。
「かはっ…ぁ…う、動いてぇ…」
「私に心配をかけて、逆ギレして病室から追い出しておきながら私の上着でオナニーをした罪は重いよ?」
それに、とロイは付け加えて言った。
「私のサイズを小さい方に間違えるなんてね、男としては傷つくのだよ?」
そう言ってロイはエドワードの最奥を抉った。
巨大で長大なロイのペニスに犯され、エドワードはしきりに涙をこぼす。
「ごめ…なさ…っ」
「なにに対して謝っているのかね?」
「危ないこと…したから…しんぱ…かけたから…ッ」
ロイはエドワードの顎をつかみ、上を向かせた。
「それだけじゃない、だろう?」
有無を言わさない漆黒の瞳で見つめられ、エドワードは拒絶できない。
少しの間の後、エドワードは小さな声で言った。
「ロイの上着でオナニーしたり、ロイの…ッ、おち…ちんの大きさ…間違えたから…」
そう言っている間、エドワードの後孔がきゅう…としまった。
恥ずかしい言葉で感じてしまったのである。
「やれやれ、いけないね、君は」
ロイはエドワードの腰を抱えなおしながらつぶやいた。
「いつのまにこんな淫乱になったのだね?」
耳元で言われた言葉にエドワードは頬を赤らめ、新しい涙を流す。
「恥ずかしい言葉も言えるんだね?恥ずかしくないのかい?…あぁ、恥ずかしくて感じてしまってこっちがしまったのだったかな?」
「ちがっ…!」
「…違わないだろう、エディ?」
名前を呼ばれながら突き上げられてエドワードはまた達した。
はずだった。
「きゃぁ……ぁあぅっ!だめぇっ、止まって…ッ!」
エドワードの先端からあふれたのは白濁とした液体ではなくやや黄色がかった透明な液体だった。
先ほどの利尿剤の効果は切れていなかったのである。
起立したペニスから尿をぴゅくぴゅくっ…と飛ばすエドワードの姿は実に淫猥だった。
だんだん放出する尿の量は少なくなり先端からちろちろとあふれ出すそれを満足げに眺めるロイはいきなり律動を開始する。
「アアァッ!?」
「いやらしい君にご褒美だ。好きなだけイけばいい…」
「やだっ、またっ…おしっこ…ッ!」
未練がましく尿を飛ばす幼いペニスにロイは指を絡ます。
ぐりぐりと先端を刺激してやるとエドワードの固さは増し、ロイをきつく締め付けた。
「ヒァッ!?イく…ッ!」
「どっちがでるんだい?」
「…っぇき…」
「ん?はっきり言いたまえ」
「ふぁっ…せーえき…でちゃううぅぅっっ!」
むちゃくちゃにロイに腰を擦り付けエドワードは絶頂に達しようとしていた。
「ひゃ…はっ…ロイのせーえきエドの中にちょぉだ…アァッ!」
「っ、あぁ、イくよ?」
「ん…あっ、あっ、ッ!きゃうああぁっっ!」
ロイにしがみつきエドワードは果てた。
少し遅れてロイもエドワードの中に熱を放出する。
ぶるりと体をふるわせてエドワードは気を失った。
気がつけば外はとっくに明るくなっていた。
ズキズキと痛むこめかみを押さえてエドワードは身を起こす。
そう、さっきまでロイと…
はっとしてベッドを見てみるが綺麗な物に変わっている。
きっとロイが水で流した後、お得意の焔で乾燥させたのだろう。
横をみるとロイはベッド脇のいすに腰掛け眠っていた。
そっと手を伸ばし漆黒の髪をさらりとなでる。
「ごめんね…心配かけて…」
そっと口づけるとエドワードはロイを起こしてやる。
「おい、大佐!あんた仕事だろ?」
「んぁ?」
まぬけな声を出して目を覚ましたロイに苦笑しながらエドワードは言った。
「おはよう」
end
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