気づいて 4



可愛いだなんて言われるのは恥ずかしいが、嬉しそうな古泉の顔を見ると、暖かくて幸せな気分になる。
俺は何も言い返せず赤くなった顔を隠すように俯くと、ハンバーグをぱくりと口に放り込んだ。



無性に、抱きしめてほしかった。









風呂から上がるのがいつもより早く、ちょっと早めの就寝になりそうだ。
俺はベッドに腰掛けると、明日の古泉が身につけていくワイシャツやら靴下の準備をしていた。
ワイシャツは久しぶりにおろしたてのそれではなく、三日前に洗濯したもの。
明日もこれに嫌なにおいがしなければいいな。

「キョン君…」

不意に、風呂から上がったばかりで寝室に入ってきた古泉が後ろから抱きしめてくる。
驚いた俺は体を硬直させた。

「抱いても、良いですか?」

三週間と四日ぶりの誘いに胸が高まる。
どうしよう、ドキドキする!
でも、抱いてほしいと思っていたのは事実。
ずっと、ずっと前から。
俺は返事の代わりに振り向いたその唇に軽くキスをした。


せっかく身につけていたパジャマも、下着もはぎ取られた俺は古泉の下にいる。
たまらなくドキドキして顔が熱くなるのを感じながら。

「久しぶりで…我慢できなかったらごめんなさい」

俺の首筋に甘く歯を立てながら古泉は相変わらずのエロボイスで囁いた。
それだけでも十分感じてしまうのに。
なのに久しぶりのエッチで、俺だって我慢できないかもしれない。
だって、本当にほしかったんだ、古泉が。

「可愛いですよ、ここ」
「ふやっ、あ、あん!」

乳首をきゅ、と摘まれて悩ましげな声が漏れた。
すぐにしこり始めたそこを、指の腹で押しつぶすように転がされたらたまらなく気持ちがいい。
次第に下半身も熱くなってきて、もじもじと腰を捩らせる。
俺の恥ずかしい状況に気づいた古泉は優しく微笑むと、手をするすると下に下ろしてきた。
もちろん、乳首への刺激は唇に変えて。

「あ、ふぅ、ん!」
「凄い、セックスしたかったですか?」

突然そう聞かれて目を見開いた俺を楽しそうに見上げながら、古泉は先端の粘膜をくちゅくちゅといじってくる。
たまらないとばかりに腰を震わせて、俺は戸惑ったように目を泳がせた。
だってそんな恥ずかしいこと言える訳ない。
しかし、きちんと言えば与えてくれるのが古泉なのだ。
俺は恐々と古泉を見下ろし、眉を寄せて。
できるだけ、古泉の好きな表情を作ってみせると。

「一樹と、エッチしたかった…ッ!」

と恥ずかしい告白をした。









続く














(他の女に渡すもんか)

(他の女にとられる前にできるだけ可愛く振る舞わなければ)



でも






(こんなに必死な俺は、なんて醜いことだろう)


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