悲壮美-tragic beauty- 16
困ったように何か考えていた古泉は、諦めたかのようにため息をつくと、俺の首元に力を込めた。
ぎゅ、と気道が圧迫されて息苦しくなる。
それと同時に突き上げが始まった。
内蔵を犯される感触に内股が痙攣して。
息ができなくなってくると、より一層感覚がアナルに集中した。
酸素が足りなくて頭がぼーっとして、訳が分からない。
先ほどまで見えていた古泉の顔も今ではぼやけてしまった。
ああ、一度でいいから愛されてみたかったな、と思った
俺自身は古泉のこと、結構好きだったし、自分で言うのは何だが、古泉も俺を好いてくれていたように思う。
だから、叶うことならふたりいっしょになりたかった。
愛して、愛されたかった。
恋愛でなくても良い、友情愛や家族愛を感じてみたかった。
でも今日でこの世界とはおさらば。
俺がいなくなる。
いなくなるけど、時間は常に流れていて。
「はぐっ、ぁ、───んうぅ!」
「スゴい、苦しそう…」
もう、思考は停止した。
ただ、激しい快楽に息が止まったのが分かる。
空気を取り込もうと口をぱくぱく動かしても気道を圧迫されているため、無意味で。
酸素が足りなくて考えることをやめてしまった俺はそのまま意識を投げ出した。
(少しは好きだった)
でももう会えないね
さようなら
続く
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