恋して!



「なんでこんな偉大な日を日本国は祝日にしないの!?おかしいわ!」

古泉とのんびりボードゲームをしていた俺は、ダンッ!と机を叩いて立ち上がったハルヒに目を向けた。
そう、来る11月11日についてハルヒは何かよからぬことを考えていたらしい。

「だって一年365日あるうちの一日だけよ、四桁ゾロ目が揃うのは!」
「だからって特別祝日にする必要はないだろ?」
「何言ってるの!今年の11月11日は日曜日よ、祝日なら翌日の月曜日は代休で三連休になるわ!」

なんてもったいないの!とか叫びながらハルヒは地団太を踏んでいる。
ああ、面倒くさいことにならなければいいのだが。
はあ、とため息をつくと俺は再びボードゲームに視線を落とした。
目の前では古泉が相変わらずのハンサムスマイルで微笑んでいる。

「それによ、ポッキー&プリッツの日であちこちでイベントしてのよ!?」
「だからってなんなんだ、別にただの菓子の日で国民の祝日になる訳ないだろうが」
「だったら、恋人の日にしてしまえばいいのではないでしょうか?」

突然口を挟んできた古泉の発言に俺は目を丸くした。
ハルヒも少し驚いたような顔をして古泉を見るが、すぐににやりと笑って。

「その心は?」

と、問うたのだった。

「涼宮さんもご存じでしょう?ポッキーゲーム」
「えぇ、それくらいは知ってるわ」
「罰ゲームなどで用いられることが多いとは思いますが、普通は恋人同士で楽しむものでしょう?外国には恋人同士愛し合うような休日を設けている国がありますが、日本にはありませんし。四桁ゾロ目の日で、さらには恋人同士愛し合う日にすれば、外国に例はありますし、休日になる可能性はありますよね」
「なるほど!さすが古泉君ね!関係ない人たちはただ単に遊んで休めばいいし!」
「そうですね」

にこりと笑った古泉を見て俺はげっそりした。
何を言い出すかと思えばそんなことか。
こいつの脳味噌は相変わらず沸騰しているらしい。
俺が瞬間冷却してやりたいよ。

「早速日本国に訴えるべきね!来年からは祝日よ!」

機嫌よく立ち上がったハルヒは鞄を持つと「今日は解散!」と叫んだのだった。











で、なぜこうなる。
なぜこうなるんだ!

「このポッキーは何だ」
「もちろん、あなたとポッキーゲームをするための物です」

お前はバカか、と叫んでやりたかったがあきれて声も出ない。
つまりはお前がやりたかっただけだろうと呟くと、にっこり笑って頷く。
冷たい目線で睨んでやると眉を下げて古泉は手を振った。

「だって恋人同士なら一度はやってみたいじゃないですか」
「できるか、んな恥ずかしいこと!」
「恥ずかしいからこそ良いんじゃないですか」

ぴり、とポッキーの袋を開けて一本取り出す。
ほら、と唇に押しつけられて俺は渋々口を開いた。
こいつが銜える側も食べてやろうと思っていると、古泉は「まだ食べないで下さいね」と一言。
こいつ、エスパーだろ。
…、いや、実際エスパーだった。
とにかく俺はポッキーを銜えたまま固まる。
ドキドキしていると、いきなり古泉はポッキーで口の中をかき回し始めた。
予想外の出来事に俺は目を見張る。
細いポッキーの先端が口の中の敏感なところを擦りあげてきて。
さらにはチョコレートが溶けて、トロトロと咥内までが溶ける。

「んむっ、ん、ふぁ…」
「可愛い、キョン君」

ずる、とチョコレートのなくなったポッキーを引きずり出すと、ちゅうっと唇に吸い付いた。
頭がくらくらして気持ちがいい。

どうしよう、流される!

しかし、見事に流された俺の下半身は見事に膨らんでいた。

「感じましたか?」
「だまっ、てろ…!」

なんなんだ、超恥ずかしい!
目をぎゅうっと瞑っていると、かちゃかちゃとベルトが外された。
ずり、と下着ごと引きずり下ろされるとぷるっとペニスが震える。
そのまま銜え込まれて、甲高い声を上げた。

「ふあぁっ!ダ、メェ…!」

チュクチュクと吸われれば、あっと言う間に俺は限界を迎える。
イきそうになるのを感じて俺は自らのペニスの根元を握りしめた。
それを見て古泉は少し驚いた顔をしてペニスから口を離した。
俺だって自分のことなのにどうしてこんなことをしたのか分からない。
それでも、なぜか。

「一緒に、イきたい───っ!」

そう口走っていた。
もちろん、そう言った途端古泉に指を突っ込まれたのは言うまでもない。
早急に慣らされて、あっと言う間に俺のアナルはとろけきっていた。
たぶん、気持ち的な部分もあったんだろう。
早く繋がりたい一心で、俺は古泉にしがみついた。

「も、いいから早、あぁぁん…!」

言い終わらぬうちに熱い肉棒が俺の中を満たす。
危うくイきかけた俺は古泉に必死に乞うた。

「お、ちんちんぎゅってしてぇ…!」
「え、えぇ!?」
「でちゃう、からぁ!」

驚く古泉を余所に、俺は古泉の手を取るとペニスに添える。
俺様の命令通り、古泉は戸惑いながらもペニスを戒めた。
どうしよう、酷く興奮している自分がいる。

「あうっ、あ、アー!」
「すごい、締め付けです…」

古泉は珍しく余裕のない顔で汗をかいていて。
そうさせているのが俺だと思うと、妙な優越感を感じる。

古泉をこうさせているのは俺だ。

ぎゅうっとしがみついて、俺からも必死に腰を振った。
精液が熱く爛れた尿道を押し上げて、もうそこまででかかっている。
体がびくびくと震えて、もう限界だ。

「無理っ、も、らめぇ…!」
「僕も、です…」

古泉はペニスを戒めていた手を離し、俺の腰を掴む。
余裕なく突き上げられて、俺は自分のものとは思えないほどいやらしい叫び声を上げて果てた。

「らめぇっ、ひぁ、あ、ひゃあああぁあ!」
「ん、ふ…!」

腹の中と外、両方に熱いほとばしりを感じて俺は体をびくびくと痙攣させる。
しばらく絶頂の余韻でぼんやりしていると、不意に唇に何かを押しつけられた。
見れば例の菓子だ。
躊躇うことなく口に含めば、反対側を古泉が口に含む。
誘われるままに俺はポッキーをサク、と噛んだ。
どんどんと古泉の顔が近づいて───熱い唇が重なった。











俺は自己嫌悪に陥っていた。
布団を頭からかぶって、外界から存在をシャットダウンする。
上からは古泉のクスクス声が降ってきて。


ああ、今すぐこの流され体質をどうにかしてやりたい。


俺は少しだけ布団から顔を出すと古泉を睨み上げた。



きっと顔が真っ赤になっていて、効果は全くなかったと思うがな。









end










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