The hole8



今、こいつはなんと言ったのか。
俺の理解できる言葉の範疇を超えている。
待て、自分でイケと?
何処のどいつだ、俺をこんな状態にしたのは!
もう、怒るべきなのか呆れるべきなのか、なんともいえない気持ちになって俺は顔を歪めた。
それでも古泉は俺に手を出す気はまったくないらしく、少し身を引いて俺を見下ろす。
俺はどうしようかと戸惑うが、戒められたソコはすでに限界を優に超えていて、真っ赤に充血していた。

「ふぇ、え…」

子どものような泣き声を漏らしながら、俺は自らの根元を戒めている紐に手を伸ばす。
震える手で紐をきゅっと摘むと、心臓が跳ね上がって心拍数が上がる。
今からイけるのだと思っただけでこの有様だ。
俺は唇を噛み締めると、ゆっくりと紐を左右に引っ張った。
しゅるり、とリボン結びが解ける。
ああ、あとこの簡単な結ぶ目を取り去るだけで俺は達することが出来るのだ。
最後の結び目に指を引っ掛けて。
俺は思いっきりソコを引っ張る。

「ふあああぁぁ!!?」
「お、っと…」

びくん、と体が震えてどろりと勢いのない精液があふれ出した。
しかし、そんなのでは物足りない。
とうとう頭が狂ってしまったのであろう俺は自らのペニスを握り締めると上下に扱き始めた。
もう止まらなくて、快楽を追うのに必死になる。
ぐりぐりと先端を弄ると、あっという間に限界が近づいてきた。

「あなたのいやらしいところ、全部写ってます」
「やらあ、やらああぁぁ!」
「嫌がっても手が止まりませんよ?」
「うえぇ、う、えぐ…!」

古泉の指摘に、俺はさらに羞恥を煽られて腰を振るわせた。
ビデオカメラが急に下腹部に近づけられ、俺は身を捩る。
しかし、太ももを張り手で打たれて、すぐに大人しくせざるを得ない。
他人の前でオナニーをしているのを観察され、さらには撮られるだなんて。
自分の不運さを思うと、さらに涙が溢れた。

「尿道がヒクヒクしてきましたよ、イきそうなんでしょう?」
「イ、 くうぅ…!」

瞬間、目の前が真っ白に染まる。
何が起きたのか分からないほどの衝撃に、俺は弓のように体をしならせた。
先ほど以上の快楽に、体の痙攣が止まらない。
その上、体中が痺れたように感覚をなくし、あるのは快楽だけ。

「―――――……ッ!!!!?」
「ふふ、すごいですよ…」
「あ、ふあ、ぁ、あああぁ…?」

絶頂が過ぎた体は一気に力が抜けて、だらりとベッドに横たわる。
俺はわけの分からないこの状況に、目を見開いて呆然と天井を見上げた。
意識はあるが、どこか客観的に自分自身を見ているような感覚に陥る。

なんだこれ、気持ち悪い。

俺は急激に気持ち悪くなって、ぎゅっとシーツを握りしめた。
変な汗まで流れてきて、俺は荒く呼吸を繰り返す。
古泉はそんな俺の姿をビデオに収めながら、にっこり笑って。

「では、あなたも限界に近いようですし、コレで最後にしましょう」

まて、“あなたも”って何だ。
それはお前もってことにも取れるのだが。
俺はもう、されるがままに足を左右に思いっきり開かれて、恥ずかしい部分を惜しげもなく晒した。
解剖されるカエルのようだ。
むしろ俺は解剖されて死んだほうがましである。
こんな恥晒して生きていられるか畜生!

「ハメ顔、たくさん見させて下さいね」

そういわれて俺は頭のどこかで冷静に“ああ、今からハメられるのか”なんて考えていた。






続く



あきゅろす。
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