The hole7



俺は信じられなくて、閉まった扉を呆然と見つめる。
しかし、すぐに頭の中は強すぎる快楽にすり替えられた。
腰がびくびくと震えて、射精したくて仕方がない。

「うえっ、あ、あうぅ…」

涙と涎がたらたらと流れていき、俺の顔はぐしゃくじゃだ。
とにかく一時間この状態に耐えなければならないことに絶望する。
なんとか気だけはしっかり持っておこうと俺は歯を食いしばった。
だが、耐えれたのはほんの数分で、俺は襲いくる射精感に叫んだ。

「イ、きたい…イきたいイきたい──!」

もう、頭の中はそればっかり。
尿道が熱く焼け爛れ、そこを熱い精液が沸き上がる感覚を思い出す。
それが欲しくてたまらなくて、ついには体中がガクガク震え始めた。
大きい波が襲いかかってきている。

「う、そ…!怖い、怖い…」

俺は目を見開いて目の前で震えている自らのペニスを見つめた。
せき止められているから精液は出ない。
それでも、大きい何かがくる。

「イ、ク!イクイク、ア゛、ヒアアァア!」

ビクンビクン、と大きく体が跳ねた。
一瞬何が起こったのか分からなくて、俺は息をするのも忘れて宙を見つめる。
未だに体は痙攣を繰り返し、激しい絶頂を物語っていた。

「うそだろ…?今、俺…」

唇がわなわなと震える。
涙がボロボロ溢れてきて、情けない気持ちでいっぱいになっていた。
しかし、感傷に浸る間もなく、新たな波が押し寄せてきて。
俺はこれが一時間も続くのかと、地獄に落とされたような気持ちになっていた。













どれだけ時間がたったのだろうか。
俺からすればもう二時間も、三時間も時間が経過しているかのように感じる。
しかし、古泉は一向に姿を現さなくて俺は半ば諦めに似た気持ちになっていた。
何度絶頂に達したか分からない体は痙攣を繰り返し、耐えようと力むことも出来ないほどに弛緩しきっている。
もう、俺はこのまま狂い死んでしまうに違いない。
そう思うと枯れたと思っていた涙がまた流れ落ちた。


と、その時。
待ちに待っていた扉のドアノブがガチャリと音を立てる。
俺は弾かれたように顔を上げると扉をじっと見つめた。

「おや、起きてたんですか?」

扉から顔を出した男はそう言って部屋にはいってくる。
俺は早くイかせて欲しくて、必死に叫んだ。

「古泉っ、イかせてお願…!」
「帰ってきた途端おねだりですか、可愛いですね」

古泉はにっこり笑うとビデオカメラを一度止め、カセットを入れ替える。
その間でさえ直接的な刺激に耐えきれず、俺はまた達した。
もう、声も出さずにガクガクと体を震わせるしか出来ない俺は天井を見つめて息を詰まらせる。
それを見た古泉は至極楽しそうに声を上げて笑うと、カメラ片手にベッドに乗り上げた。
そして、俺の体を無理な姿勢にしていたフックを漸く外してくれる。
ぎしぎしと体が軋んで、痛くて仕方がない。
それでも解放される悦びの方が大きくて、俺は顔を痛みに歪ませることなく、逆に恍惚とさせた。

「そんなに嬉しいんですか、だったら我慢した分だけしっかりイって下さい」
「あひぃ!抜いて、抜いて…!」

そう乞うと、古泉はまずバイブを抜いてくれた。
一番俺を苦しめた振動が去ってくれてため息が漏れる。
次はペニスを戒めていた紐を…と思っていたが、なぜが腕の拘束が外された。
もちろん、暴れて逃げるような体力が残っていない俺はだらりと腕を放り投げたまま。
そんな俺の役立たずな両手を古泉は掴んで、なぜかお腹に移動させた。
早くイかせて欲しいのに、そんなの良いから早く。

「ええ、どうぞ。イって構いませんよ」
「じゃあ紐取れよ…!」
「ご自分で取って、ご自分でイかれて下さい」






続く


あきゅろす。
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