The hole3


「やっぱり俺、出頭します」
「なぜ?」
「あなたに迷惑かけられない…だって、あんたいい人そうだし」

そう言うと、古泉さんはなぜか笑い始めた。
なにが面白いんだ、俺は結構真剣なのだが…
俺が不機嫌そうな顔をしていたのに気づいたのか。
古泉さんは苦笑しながら、俺の目の前にコーヒーカップを置いた。

「僕はそんなにいい人間じゃありませんよ」
「そんなに優しそうに笑っておいて、嘘つかないでください」

俺はコーヒーをちまちま飲みながら古泉さんを睨む。
すると困ったように古泉さんは笑って俺の顔を覗き込んだ。
なんだかそんなに見つめられると気まずいのだが。
俺は視線から逃れるために、コーヒーカップに視線を落としてコーヒーをただひたすら飲み続ける。
だが、ほとんど飲み終わったあたりで俺は体の異変に気づいた。

(なんか視界が霞む…)

俺がコーヒーカップを取り落としそうになったのを上手くキャッチして、古泉さんは崩れ落ちる俺の体を抱きとめた。
薄れる視界の向こうで古泉さんがにっこり笑っているのが見える。
そんな顔を見ながら俺はある言葉を思い出していた。

うまい話には落とし穴がある



実に見事に俺はその落とし穴にはまってしまったようだ。







ゆっくりと意識が浮上する。
そうやら俺は眠ってしまっていたようだ。
しかし、目は開けたというのに視界がふさがれていて何も見えない。
俺はとりあえず身を起こそうと体に力を入れる。
しかし、なにやら俺の両腕は縛り上げられていて起き上がることは出来なくなっていた。
それどころか、力がまったく入らん。
どういうことだ、コレは!

「あ、目が覚めましたか?」
「こ、いずみさん…?これ、何ですか…!」
「何って、言ったでしょう?撮影のお手伝いですよ」

なんか白い板を持ったり、ビデオの編集のお手伝いかと思っていた俺はこのへんてこな状況をまったく掴めずにいた。
待て待て待て、目隠しして拘束してこれはいったいなんの手伝いなんだ。
俺が戸惑っていると、いきなり下半身に変な違和感が走る。
待て、いきなり俺の大事なところを触って、え…?

「ちょ、俺…裸…!?どこ触ってんだ、クソ!」
「どこってあなたのおちんちんですよ、まだ童貞ですか?」
「うそ、やめ…あう!」

自慰の経験さえもあまりない俺は他人に触られたことなんかもちろん皆無で。
ペニスをきゅっと握られただけで、信じられなくらいの快楽が背筋を駆け抜ける。
しかし、いくら自慰の経験が浅いといってもこの感じ方は異常だ。
しかもこんなに力が入らないなんて、何かがおかしい。

「なんだこれ…!?アッ、変、だ…!」
「体が熱いでしょう?気持ちよくなるお薬をたくさん盛らせていただきましたから」
「う、嘘!や、あぁぁああ!」

ぐりぐり、と先端を抉られて俺は先走りをどっと溢れさす。
すると、当然の如くいやらしい水音が耳に入って、俺は首を振った。
とにかくこのおかしな快楽から気を散らそうと躍起になる。





続く


あきゅろす。
無料HPエムペ!