強制束縛
午前零時をとっくに過ぎた真夜中。
仕事を終えたロイは自室のドアを開けた。

「ただいま、エド。良い子にしてたかね?」

ベッドの上で身悶える少年に声をかける。

少年の格好はひどいものだった。
手には手錠。
口には猿ぐつわ。
下肢にはローター。
後孔にはバイブ。
根元は戒められていて放出することを許されていなかった。
少年は口をもごもごと動かし何かを訴えようとした。
ロイは少年の口から猿ぐつわをはずす。
とろりと唾液があふれ糸を引いた。

「…ッ、ふっ!も、やめてぇ…」

力なく少年はロイに懇願した。

「もっ、やめて…」

大きな金色の瞳から涙をこぼす。

「なにしおらしくなっているのかね?君らしくもない。国家資格を取りたいのなら私に従え」

冷たくそう言い放つと手錠に手をかけてもち上げる。

「いった…っ」
「エドワード、」

冷酷な、深い、感情の読めない漆黒の瞳。

「国家資格を取りたいのなら私に従うべきだ」

再度そういうと乱暴に少年を突き飛ばす。
恐怖か、怒りか、少年はかすかに震えていた。
下を向き、震えた声で少年は言った。

「ご…めんなさぃ…」

この少年、エドワード・エルリックは最年少で国家錬金術師の資格を取るためロイの世話を受けていた。
しかしロイは無償で世話をする気は全くなく。
“等価交換”と称してエドを欲した。
それを、拒むことができなくて。
国家資格が必要だから。
ロイに従う、逆らうことはできない。

エドはうつむき次の恐怖を待った。
靴音が近づきベッドがきしむ。
男の気配が分かる。

「あっ…!」

予想外のロイの行動にエドは声を上げた。
ロイはエドを持ち上げたのだ。
そのままベッドから降り自室の大きな鏡の前へ移動した。

「!」
「嫌だと言ったらお仕置きだからな。心しておけ」

そう告げると鏡の前にエドを座らせ大きく足を開かせた。

「あっ…!」

羞恥のためか無意識に足を閉じようとする。
しかしロイはそれを許さない。
ぐっと開かれた足の間から自らの恥部が見えて。
目をつむってみないようにする。
見ていたら“屈辱されている”と嫌でも感じてしまうから。

「なぜ目を閉じる、君が見ないと意味がない」

そう言われたら従うしかない。
エドは目を開けて自らの体を見た。

いつから放置されていたのかは覚えていない。

ずっと刺激されていても一度も満足にイけていない。
赤く腫れ、勃ちあがったままのソコはヒクヒクと震え、先端をぐちょぐちょに濡らしていた。

「あ──!んっ」

ロイはエドのソコを手で包み、ゆるゆると愛撫する。
射精口をえぐられ少量の精液が漏れだした。
本当ならイけるような刺激なのに根元を戒めている紐のせいでイけない。

「あぁあっ!あっ、もぅお願い…っ!」
「どうしてほしいかね?」
「紐…、紐取ってぇっ!」
「下さい、だろ?」
「あっ、取って下さい…ァッ!」


言い終わらないうちにロイは紐を取りながら裏筋を爪で軽く引っかいた。

「あっ…あああぁぁぁっ!」

待ち焦がれた射精感。
腰を浮かせながらエドは勢い良く大量の精液をとばした。

「あっ…あっ…」

焦点のあっていない恍惚とした表情でエドは長い射精を終える。
ヒクヒクと躰を震わせているエドを満足気にロイは見おろした。

「あぁ、たくさん出したね」


躰が熱くてたまらない。

エドは本人の意志とは関係なく中の異物をぎゅっと締め付けた。
自身からはじくじくとまだ精液が溢れていて。




幼い躰はほんの4・5日の間だけでイヤラシク変貌してしまっていた。

ほしい、ほしくてたまらない…

潤んだ瞳がロイを見上げる。
ロイは口の端をつり上げてくっと笑うとエドの中を犯しているバイブに手をのばした。
中に入ったままの状態でぐるりと一回転させる。
エドは顔をしかめて躰を跳ねさせたがそれ以上の反応は返ってこない。

「長い時間入れすぎて麻痺したか…」

軽く舌打ちするとロイはバイブをずるりと引き抜いた。
びくっとエドの躰が震え中からローションが溢れる。
ぽっかりと穴が開いてしまったような感じだ。

閉じきらない後孔を鏡の中に晒す。

「ほら、赤くなってぽっかり穴があいている。どうだね?」
「どうって…」
「イヤラシイと思わないかね?ん?」

楽しそうにロイは聞いた。
双丘を手で割り開く。
ピンクの媚肉があらわになり。

「ほら、しっかり見ておきたまえ」

素直にエドはロイに従い、自らの秘所に目をやった。
自分がとてもすごい格好をしていることを再度確認する。

屈辱的だと思うと同時にそういうことをされていると思うとエドは興奮を覚える。
萎えていた性器が再び頭をもたげ始めた。

「あっ…!」

自らの勃起に気付きエドの口から細く声が漏れる。
恥ずかしいと思っただけでエドのソコは完全に勃ち上がり先端から涙をこぼした。
鏡の中にいるロイに目配せをする。

麻痺していても良い。

後孔をロイのモノでいっぱいに満たしてほしかった。
いっぱいにしてぐちゃぐちゃにかき回してほしい。
何も考えれないくらい。
何もかも忘れられるくらいに。

「たい…さっ、大佐の、ください、おねがい…」

自ら求めたのは初めてだ。
ロイは少し驚くが顔には出さない。
ちょっとだけ考えてロイはエドの手錠をはずした。
そして自分に向かい合うように座らせた。
濡れた金色が物欲しげにロイを見上げる。

「その前に一度、私のこともイかせてくれ」

エドの右手をとり、自らの下肢に触れさせる。

「あっ…」
「そうだな…フェラチオでもしてもらおう。君の可愛い口で私のをくわえたまえ」

エドは戸惑いながらズボンのジッパーをおろし、ロイのモノを取り出した。
自分のモノとは比べモノにならない男の性器。
ためらいがちに口に運ぶが苦しくて全てが収まらない。
するとロイはエドの後孔に浅く指を挿入した。

だいぶ麻痺状態から回復した後孔がうずく。

「ほら、早くここに欲しいのだろう?」
「ん…」

──欲シイ…早ク、欲シイッッ!

一気にエドの理性は崩れさった。
欲望に負けたのだ。

口に入らなかったソレを無理矢理喉の奥へ押し込む。
圧迫感と苦しさにエドは涙をこぼした。
小さく赤い舌が裏筋をなぞる。
再び口に含むとロイはエドの頭をつかみ腰を使い始めた。 

「んん゛ーっ!!」
「ほら、もっと口をすぼめてきつく吸うんだ」

ロイの言うとおり必死になってエドはロイに奉仕した。

「ーッ、イくぞ」

そう言うとエドの喉奥に自らを激しく打ち付けて果てた。 

「んんっ!ぷぁ、やぁ…」 

たまらなくなってエドはロイのモノを口から引き抜いた。
ロイの放つ精液がエドの顔を汚す。
精液を吐きだそうとしたエドをロイは制止する。

「飲みなさい、それが私の味だ。覚えておきなさい」

顔をしかめエドは必死にそれを飲み込む。

「よい子だ…さて君が欲しがっているモノをあげよう」

そう言うとエドの腰を持ち上げ正面座位のまま挿入しようとする。
しかしなかなかいれてくれないロイにエドはねだる。

「もっ、早く挿れて…」
「君が挿れなさい。腰をそのまま落とすだけだ」

そんなの嫌だと言いかけてはっとする。

“嫌だと言ったらお仕置きだよ”

結局自分の欲望を満たすにはロイの言うことに従わなければならないと思う。

エドはゆっくり少しずつ腰をおろし、ロイのモノを内部に埋め込み始めた。

「あっ…あっ!」

早く全てを収めたかった。
しかしなかなかうまく挿らない。
羞恥ともどかしさでエドは涙をこぼした。

それを見かねたロイはエドの性器に手をのばした。

「あっ、あぁあっ!」

エドの体から力が抜けると共に一気にロイのモノがエドの中に押し入る。
不意な刺激でエドは軽く射精した。

「ほら、気持ち良くなりたいなら自分で動け」

しかしいっこうに動こうとしないエドをロイは不審そうに顔をのぞき込む。

「…どうした」
「ごめ…なさ…」
「何が?」
「自分で動くのがイヤ…です…」

ロイは眉をひそめる。

「どうして」
「俺じゃ…ダメだから…」


何も考えれないくらい。
何もかも忘れれるくらいに…
そうなれるのはロイに犯されている時だけだから。


「ごめ…ごめんなさ…ぃっ…」

大粒の涙が流れおち、ロイの服にシミを作った。

「…じゃあどうして欲しい」

おずおずとエドはロイの首に手を回してしがみつくと耳元で囁いた。

「大佐ので、俺のこと、メチャメチャにして。ひどく…っ、犯してーっ!」

そう言った途端、下から激しく突き上げられる。

「はぁっ!やっ、ひゃああぁぁっ!」

中を深くえぐられる。

ぎゅっとしがみついた大きな背中に爪をたてた。
ロイの動きにあわせてエドの腰も揺れ動く。

「いっ、イイっ!イっちゃ…っあああぁぁっ!」

びくっと躰をふるわせ、エドは精を吐き出す。
ロイは一度自らを引き抜くとエドの性器をつかみ、射精を追い上げるように激しくこすった。

「やっ、やぁっ!あっ、止まらな──ッ!!」

先端からあふれる精液を止められない。

にっとロイは笑うとエドを床に押し倒し、大きく足を開かせたかと思うと再び彼を犯す。

「あぁっ、あ、も…、もっとぉ…きゃうっ!」

半開きの口から唾液が伝い。
瞳からは「何か」が完全に消える。
頭が真っ白に染まり、欲しかったモノが手に入る。


何も考えれず、何もかも忘れて。
ただ快楽だけを追い求める。


「もっと…もっと犯してっ!ふぁっ、んっ!」
「エド…?」


何度、彼を犯しただろうか。
何度、彼は絶頂に達したのだろうか。

すでに彼の性器は全てを吐き出し、オーガズムに達しても何も出てこない状態までになっていた。
後孔は擦り切れ、赤く腫れて。
それでも。


「まだ…まだ…………」


ロイを欲する。
どこを見ているのか分からない目からは止めどなく涙が溢れている。

ロイはふと気付く。
この涙は生理的なものではなくて。


「…泣いているのか……?」

しかしその声はエドには届かない。
すうっとエドは気を失ってしまった。


腕の中にいる少年を抱えあげ、ベッドまで運ぶと優しく横たえる。
今までは乱暴に放り投げていたのだが。

この13歳の少年は何を思い、ここまで自分を求めたのか分からなかった。
と、同時に知りたいと思った。


「気になるな…」



どこか寂しげな彼の寝顔をみながら、ロイは物思いに耽っていた。






end


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!