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温かいのは…(高瀬)




温かいのは…





「さ―む―い―!!」



凍てつくような寒さの中、グランドに突っ立ってるだけのあたしにはカイロなんて役に立たない。



冬場、体を温める為に投球練習の前に行う短距離走。



部員は競争だったりマーカーを使ったスッテップ走だったりで、楽しそうにメニューをこなしてる。



だけどマネジのあたしはホイッスル係。
走る部員を見ながら、ゴール寄りで合図のホイッスルを鳴らす。



ラストの合図を吹いた時、背中がふいに温かくなった。



「走ってる時、ちろの声ちょ―聞こえた」



耳元で聞こえたのは今走り終えたばかりの準太の声で。


寒さに震えてたはずの体や吐息が当たった耳が熱を持っていくのが分かる。



「っ//まだ部活中」


「もう休憩入った」



あたしの体の前には準太の腕


その腕がギュッとしまる――



「寒いなら俺が温めてやるよ」



背中に感じる君の存在



島崎&利央

(「あいつら部活のやつらいるって分かってんのか」)
(「多分俺らのこと眼中にないッスよ」)(「まったく、グランドでよくやるよな」)

(見つめる先にはバカップル)




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ちろ





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