[携帯モード] [URL送信]

Novel
真白の愛 4




仕事も、何もかも身に入らなかった。


大好きな人から、まさかあんな言葉が出てくるなんて…


きっと何かあったに違いない、そう思った。



でも、そうだとしても俺には………

どうすれば…?




「……会いたい」



あんな扱いをされても、まだあの人を想っている。

だって、昨日までは間違いなく俺の大好きな人だったから…



「……行こう」



例え、悪意に満ちた目で見られても

酷い扱いをされても


確かめたかった…










―――





「先生がロミ夫さんを思い出すか…」


「思い出すって…あんなに残らず忘れてるのにか…」



ジズ、ロキと別れた後、二人は言われた言葉を思い出していた。



「とりあえず、放課後まで様子見てみるか…」




そうは言ったものの、午後の授業も特に変わった様子もなく、放課後を迎えてしまった。




「やっぱり変わった様子はないな…」


「しかも前まで度々見てた携帯を一回も開いてないっすよ…」


「ジズさん曰く、忘れてしまった人に関しての記録が完全に消えるらしいからな…
携帯のデータもか…」






「おい、」


「げっ!DTO先生…!!」


先ほどから自分に向けられる視線が気になったのか、校門の前にいた二人をにらみつけた。


「さっきからなに人のことジロジロ見てやがんだ?」


「いや、特に…」


「嘘つくんじゃねー!
今朝もなんか変だったしよ、しかも部外者まで連れて来やがって…」


「先生!!」


彼の理不尽な言葉に耐えきれなくなったのか、とうとう二人が口火を切った。


「何で…何で忘れちまったんですか!!!
あんなに大切にしてたのに!!」


「あんまりですよこんなの!!
ロミ夫さんが可哀相すぎる…」


感情的になる二人を前にしても、全く何のことだか分からない。


「ロミ夫って誰だよ…」


問いつめられても、分からない。
自分の中にいない存在―…



「……………ロミ夫さん?」



三人が視線を向けた先には、今最も傷ついているであろう人物が息を切らしながら立っていた。






「修……
本当に、本当に忘れちゃったの?」



今にも泣き出しそうな、しかし真剣な表情を見た二人も必死に問いつめる。


「覚えてないんですか!?
あなたの大切な人でしょう!?」

「先生!!!」












「……………………うるせえ」







その時

体に外的な衝撃が走った…




突き飛ばされ、地面に叩きつけられたと気がついたときには、自分を見下ろす悪意に満ちた瞳を見た。







「知らねーよ。
もう俺の前に姿見せんな」










時間が止まってしまえばいいと

そう思った……





.

[*前へ][次へ#]

あきゅろす。
無料HPエムペ!