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Novel
真白の愛 1



その衝撃で



消えた



心から愛するモノが…



一瞬で…





真白の愛





(まさかこんなに長引いちまうなんてな…)



『6時に、いつもの公園で待ってるね』


行事前なのか、思いの外、職員会議が長引いてしまった。


(もう待ってるだろうな…)


出勤前の貴重な時間。
ほんの少しでも会いたい。


そんな恋人の可愛い頼みを断れるわけがなかった。

(早く行ってやらねえと…)

会いたいのは自分だって同じだった。

もう常に、四六時中、あいつを欲してやまない。


こんなに、一人の人間に依存している自分に苦笑いが出てきそうだった。



もうすぐ、もうすぐ約束の場所に着く。

ここを曲がれば、あいつに会える。

愛する者に…



その時だった。


「!!!!!」


目も眩むような、しかしどす黒い気。

一瞬で包まれ、体中に衝撃が走る。

体中を縛られるような、締め付けられるような、
とても不快な衝撃。


「…っ!!!」






頭痛がする。
激しい痛み。


何か、大切なものが無くなってしまったような…











「修……」


約束の時間を一時間過ぎた。

携帯も先ほどからコール音だけがむなしく響く。


「会議…忙しいのかな」


『会議が終わったら、速攻会いに行く』


メールが届いたのがちょうど二時間前だった。



「何かあったのかな…事故とか…



とても嫌な予感が脳を駆けめぐる。

しかし、どんなに思っても一向に想い人は現れない。




結局、仕事の時間ギリギリまで待ったが、現れなかった。


「修……」


そしてその後何度電話を鳴らしても、反応が返ってくることはなかった。




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