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永遠の華
大内裏の噂







あれから数週間経ち、昌浩は元服をし立派な雑用係となって日々を過ごしていた。











「これでや〜っとお前も晴れて一人前の雑用係か。これからが大変だねぇ〜、雑用係の昌浩くん」


「うるさいよ、もっくん。…いい?大内裏じゃ変な事しないでよ?…いつ祓われても不思議じゃないんだから」




「ほほぉ〜、昌浩くんは俺の心配をしてくれてんだ〜?」


「べ、別にそんなんじゃないよ!」



「そーかぁ?…ま、心配すんな。大内裏は雑鬼どもの巣窟だ。今さら俺が増えたところでどーって事ないない」






会話から昌浩ともっくんが話をしながら大内裏へ向かっているが、傍目からは昌浩一人が話しているようにしか見えない。
まさに不気味だ。




ふともっくんが思い出したように口を開く。






「…そういや、お前知ってたか?」


「何を?」

「大内裏の噂」


「噂…?」



しかめ面をしながら、昌浩は肩に乗っかっているもっくんに少しだけ顔を向ける。





「そう、噂。…や〜、あそこは雑鬼どもの巣窟だから、もしかしたらただの噂かもしれないが…」


「何だよ。勿体ぶらずに早く言えって」








「……夜遅くに大内裏の近くの路で一人の女が夜な夜な歩き回ってるっつー噂なんだが」




「げ…」



心底嫌そうな顔をしながらも足だけは止めずに歩く。
そしてもっくんが決定打とも言える一言を放つ。










「まぁ…、貴族のボンボンやら帰りの遅い雑用係たちはそれを目撃したらしいがな」




「…………」







それを聞いた昌浩たちが、その夜噂の女に出くわすなど誰が思っただろうか。






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