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永遠の華
山海経の妖異2









「うー、げほっ…ごほっ…!」


「大丈夫かよ、昌浩」

「うぅ…目が痛い…」



「だから戸開けとけって言ってるのに聞きやしないしなぁ…」

「だって敏次殿にバレたら何て言われるか…!」

「分かってるならやるなよ」



それでもせっせと動く昌浩の手には感心せざるをえない。
よほど嫌な事を晴明様に言われたんだろうな…。









「あ…っ!」

「どうした?見つけたのか?」



突然声を上げた昌浩に三人の意識が向けられる。
昌浩は山海経のページを開いて見せる。




「これだよ…。彰子を襲った妖異…牛の角にすっぽんのような首、ねずみのような鳴き声………蛮蛮─!」

「ふぅん…。でもこれ異国の妖異だろ?何で京なんかに来るんだ?」



異国といっても西の大陸。
そんな大陸の妖異がなぜ遥か海を越えたこの地へと姿を現したのか。




「よほどの事があったのか…、もしくは別の目的なのか……」

「………」


「ま、今は晴明の星詠みを待つしかないだろう。……どこぞの誰かさんは苦手らしいからなー」

「どこぞの誰かさんって誰のことなんだよ!!」


「へっ。そういう事は星詠みが出来るようになってから言うんだな!半人前の昌浩くんや」

「もっくんーーっ!!」



ギャーギャーと騒ぎ立てる一人と一匹に栖夜は深いため息をついたのだった。







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