永遠の華
素早い瞬発力
「貴様が噂の女か!観念しろ!!」
「は…!?」
もっくんは駆け出し、神気を前足に込めると勢いよく跳んだ。
昌浩は気を凝らして、女がただの人だと気付くと慌てて声を上げる。
「!!もっくんっ、その人は人間だよ!!」
「な、に……っ!?」
突然の声に無意識に止めようとするが、意思で伝えた行動は直ぐには止められない。
昌浩はぎゅっと目を閉じた。
「……っ!」
(かわした…!?)
普通なら避けられるはずのない攻撃に女は一寸の狂いもなく避けた。
しかも無傷で、だ。
「あ、危な…」
もっくんはそのままスタッと地面に着くとがばりと女を凝視する。
昌浩はゆっくりと目を開け、その現状を確認すると慌てて女へと駆け寄る。
「ご、ごめんなさいっ!あの、怪我とかしてないですか?」
「あ…ええ、私は平気よ」
女の顔は被り物によりはっきりとは分からなかったが、確かにこれといって大きな傷もない。
昌浩はホッと息をつく。
「ところで、そこの白い物の怪さんは大丈夫かしら?…私、慌てて避けてしまったから、怪我とかしてないと良いのだけど…」
それを聞いて昌浩はもっくんの方を見る。
「あっ、そうだった。もっくん大丈夫!?」
「……今まで俺の存在忘れてやがったな?」
「ご、ごめんって…」
じと…と剣呑な赤い瞳で見つめられた昌浩はサッと顔を避けながら答える。
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