屋上にて ヒロくんの後を追って、たどり着いたのは屋上。 ヒロくん(とその手下の不良)がたまり場にしてるから近づいちゃダメって噂、本当だったんだなぁ…… ヒロくんが無言で開けた扉の先には、思い思いにくつろぐカラフルな頭をした人たち。 なんだかちらほら口に白い棒をくわえてるように見えるのは、きっと僕の見間違いだよね。 先端から煙りが出てるように見えるのは、きっと僕の錯覚だよね。 僕が何かを言う前に、ヒロくんは開けたばかりの扉をバンッ、と蹴りつけた。 咄嗟にびくっと肩を震わす僕を横目で見て、ヒロくんは小さく呟く。 「わり……」 「うん」 大丈夫だよ、と笑ってみせると、くしゃりと頭を撫でられた。 それからヒロくんは、何事かとこちらを見つめるカラフルな集団に向き直ると、一言告げた。 「てめえら、ちょっと場所空けろや」 「「「はいッ!!!」」」 あっという間に、屋上には僕とヒロくんの二人だけになった。 [*back][next#] |