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再び地面に足をつけたとき、僕はふらふらになっていた。

当たり前だけど、自転車とは比べものにならないくらいのスピードで、思ったより怖くはなかったけど、それでも精神的にすごく疲れた。

そんな僕にヒロくんは苦笑いを浮かべて、くしゃりと頭を撫でてくれた。



「…………ここ?」



家と反対方向にちょっと行ったところにある、小さなお店。

半分地下にあるみたいで、階段の奥に黒っぽい扉が見えた。


なんというか……お酒を出すお店っぽい。


店の脇にバイクを止めたヒロくんが、すっと階段を下りていく。

僕も慌ててその後を追った。






「あっ、おはようございます!」



扉を開けると、そこには僕のイメージそのまんまの“バー”があった。

薄暗い照明。
落ち着いた色合いのカウンター。
その奥にずらりと並んだお酒の数々。
床はお洒落な市松模様で、全体的に感じのいいお店だった。

そんな店内には、僕と同じか少し年上くらいの若者が溢れていた。
皆それぞれカラフルな頭で、昼間見た屋上の人達を思い出させる。

入口にいた一人がヒロくんに頭を下げると、つられるように店内にいる全員が次々に頭を下げていく。

すごい光景にたじろぐ僕に気付いたのか、ヒロくんの右手がそっと僕の左手を握った。












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あきゅろす。
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