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凶器 *



暑くなってきたので怖い話ねたでやまつな



近頃の警察はなにやってんだろうな、まったく。

血税で食わせてもらってるくせに、ろくな働きしないんだからとんだ穀潰しだよな、そうおもわね?ツナ。

昨日さ、近くで殺人事件があったんだよ。知らねーの?並中の生徒をアイスピックでめった刺し。しかも普通のアイスピックじゃなくてさ、業務用の三本歯のやつでだぜ?怖いだろ。

ははっ。でもよかったな。その殺された生徒っていうのがさ、あの3年なんだよ。ほら、ツナこの前いじめられてたろ。ごめん。俺がもっと早く気づいてたらツナ、いじめられなかったのにな。

でもほんと怖いよな。うちの親父なんか、暗くなる前に帰ってこいとか言うんだぜ。むりがあるってもんだよな。はははっ。早く解決したらいいのにな。きっと部活も規制がかかっちまうな。ツナとこうして一緒に帰れるのは嬉しいけど野球もしたいんだよ。我が儘かな?

なのに警察ときたら、まだ凶器すら判明できないだとよ。まったく馬鹿にしているとしか思えないな。


「え?だって山本、凶器はアイスピックって…」


あっ、俺ってほんと馬鹿だな。ばれちゃったか。まあいいか。近々こうするつもりだったしな。怖くないって。一瞬だよ、一瞬。すぐに俺も行くからさ、な?



(振り上げられたそれは夕日に照らされて綺麗な黄昏色に光っていました。)



ばいばい、ツナ。





最近ふたたび自分の中で怖い話ぶーむが訪れました。
気づかないのもそれはそれで怖いし、気づいたときもぞっとするだろうなあ、とね。
そんな話がいまは一番好きです。




7/12



あきゅろす。
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