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隙間へのアンチテーゼ/死ネタ
繊細な金の睫毛に縁取られた、閉じられている薄い瞼をそっと指でなぞる。温かく吸い付くようだった絹の肌は今は冷たく硬い。

(隊長の手は大きいのですね。指も長いですし、羨ましい形です)
金髪に碧眼という、まるで異国の人形のような尸魂界では物珍しい配色をしていた己の副官は、そう言った後愛しそうに節くれ立った骨の目立つ手を一撫でしていた。副官の手は白く、骨は目立つが指は先細りの繊細な造作で、とても刀を取り戦う者の手には見えない。どちらかといえば、真っ白い紙の書類を扱う方がよっぽど似合っていた。

(僕の手も、隊長みたいにもう少し頼り甲斐がありそうであれば良かったのですけれど)
きっと副官が愛したこの手は、尸魂界を護る為の手。己にその気はなくとも、彼にとっては神にも等しい彼の英雄の手。
副官はきっと、尸魂界を護ってくれる手を欲していた。
しかし、優しく彼が撫でた手は己の行き場を無くした鬱屈した感情の捌け口にと彼に牙を剥いた。
この手に力があるのは、現実にとっても彼の想像にとってでも、どちらにしても真実で。この力をぶつけられれば後はただ壊れていくばかり。
だけれど、壊した瞬間に後悔したのも、喪失感が込み上げてきたのも又、真実。確かに護りたい者ではあったのだった。
同じくらいに壊してやりたい者でもあったが。
投げ出された副官の華奢だけれど男という事を忘れさせはしない手を、緩く握ってやる。冷たく硬く閉ざされ拒絶する様な指を無理矢理に解いて己のそれを絡ませる。
体温はもう通わない。

「奪うことしかできんのや。何かを掬いあげることなんてできん、指の隙間から零れてくばっかりや。ほんま、嫌んなる。忌々しい」

くたりとどす黒くなっている朱に染まっている、錦の布団にくたりと力無く横たわる、金髪で線の細い己の副官だけがぽつぽつと洩らされていく、後悔や自責、そして多分に謝罪のようなものを含んだ呟きを聞いていた。
返答は、無い。



(憎い。この隙間が憎い。すり抜けていく隙間も、どこかしらに、彼を失った途端にぽっかりと空いてしまった隙間も。すべてが憎い、ただただ、憎い)





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次は死姦でもさせようかと思ってます。

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あきゅろす。
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