リレー小説!
惹かれ合うその訳を、僕らは血のせいにした。
ガラっと部屋の襖を開けると、そこにいる筈のないものが何か当たり前の様に居座っていた。
「やぁ、葉。遅かっ…」
ピシャン。
襖を閉めて、深呼吸。もう一度襖を開いた。
「何度開けたって同じだよ、葉」
次はおいらの目の前に移動していた。
「…何、さも当たり前の様に不法侵入しとるんよ」
「キョウダイだろ?」
「こんな時だけ血の繋がりを使うのは卑怯だぞ」
「まあまあ、今日はアンナも、君の持ち霊もいないんだろ?」
「…………、ああ」
未来王にはやはり何でもお見通しのようだ。うーん、おいら丸腰かぁ、どうしよう。
「大丈夫、僕も今日は一人で来たからな。焦ることはない」
「…いい加減心読むのやめろよなー。プライバシーの侵害にもほどがあんぞ」
「勝手に読めてしまうんだからしょうがないだろ。まあ、葉もそこに座りなよ」
「だから、此処はおいらん家だっつの」
マイウェイ炸裂のキョウダイにため息をつきながら、おいらも畳の上に腰掛ける。
葉王はにっこり笑い、口をまた開いた。
「今日は2人きりで色々話をしようと思って来たんだ」
[*前へ][次へ#]
[戻る]
無料HPエムペ!