リレー小説!
少しでも君と居る為だもの!
食パンマンはじっと僕を見ている。多分、僕が口を開かないと次には進まない気がした。
「……じゃあ、1つだけ聞いてもいい?」
「うん。もちろん」
僕は食パンマンの顔を見据える。
「…どうやったら、早く大人になれる?」
「……え?」
彼はきょとんとした顔をしていた。
「だって…、」
大人だったら、食パンマンに迷惑掛ける事だってないし、同じ歩幅で歩けるし、きっとお弁当だって忘れない。
それに、手だって…。
「大人だったら、食パンマンと対等になれるじゃないか…」
俯いていると、食パンマンの手がそっと僕の肩に触れた。
「ゆっくり、でいいんだよ。そういうのはね」
付き合っているうちに年の差なんて関係なくいつの間にか出来上がるものだから。と、にこりと笑った。
「今はその気持ちだけで十分嬉しいよ、カバお君」
「食パンマン…」
ゆっくりでいい、その言葉に気持ちが少し軽くなった気がする。
(今なら言える、かな…)
「しょ、食パンマン!」
「なんだい?」
肩に添えられた彼の手を上から握る。少し心臓が煩いけど、気にしてられない。
最初の1歩は、僕から踏み出さなきゃいけない気がしたから。
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