[携帯モード] [URL送信]

リレー小説!
てか、食パンマン飛べよっ!
 



何度も手を伸ばしては引っ込める。
心拍数はテストの答案が返ってくる時より鳴り響く。

(よしっ!今度こそ…!)

何度目かの勇気を出して手を伸ばすと、もうちょっとで触れそうな所で貴方が振り返った。

僕は思わず手を引っ込める。
同時に顔も背けてしまった。

(あ〜〜〜なんでこれぐらいのこと出来ないんだよ!)

自分への怒りと情けなさが増す。

「カバ男君どうしたの?さっきから変ですよ?」

食パンマンはわざわざ足を止めて僕の心配をしてくれた。
こんな不純な動機を言える訳がない。

「…なんでもないよ!」

精一杯の笑顔で言ったつもりだったけど、食パンマンには通じなかった。

「悩みがあるなら聞きますよ?」

“じゃあ手を繋いで。そしたら悩みなんてなくなるから!”

…なんて素直に言えたら苦労はしないのに。




 


[*前へ][次へ#]
[戻る]


あきゅろす。
無料HPエムペ!