リレー小説!
てか、食パンマン飛べよっ!
何度も手を伸ばしては引っ込める。
心拍数はテストの答案が返ってくる時より鳴り響く。
(よしっ!今度こそ…!)
何度目かの勇気を出して手を伸ばすと、もうちょっとで触れそうな所で貴方が振り返った。
僕は思わず手を引っ込める。
同時に顔も背けてしまった。
(あ〜〜〜なんでこれぐらいのこと出来ないんだよ!)
自分への怒りと情けなさが増す。
「カバ男君どうしたの?さっきから変ですよ?」
食パンマンはわざわざ足を止めて僕の心配をしてくれた。
こんな不純な動機を言える訳がない。
「…なんでもないよ!」
精一杯の笑顔で言ったつもりだったけど、食パンマンには通じなかった。
「悩みがあるなら聞きますよ?」
“じゃあ手を繋いで。そしたら悩みなんてなくなるから!”
…なんて素直に言えたら苦労はしないのに。
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