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Novel
春風と君【ジャイ子様】


…空気が透き通っている。




【春風と君】




すぅ、と空気を吸い込み、彼はそう思った。


この季節は比較的好きだ。冬の透き通った空気の中に春の暖かさが垣間見得る3月。

サラサラと長い髪を揺らしながら、ネジはまだ咲いていない桜の木の下を歩いた。


暖かさが垣間見得るといっても、まだまだ防寒着は手放せない。同色のマフラーと手袋を付けた彼は、これといって目的があるわけでもなく、ふらふらと道を横断していた。

「おい、ネジ!」


良く聞き慣れた声が、すぐ後方で聞こえ、反射的に振り返った。
そこにいたのは、己の恋人であるシカマル。


自然と微笑みを返し、会話を交わす。

「休日が重なるとは、散歩にでて良かったな…」

「毎日毎日、五代目にこき使われてよ…」

「俺もほぼ毎日任務だ…」

「流石上忍。俺はほとんどデスクワークでよ…」



たわいのない簡素な会話でも、幸せだと感じる事ができるのは、本当に彼の事を好いているのだなと考えては己で照れる自分がいた。


思いに浸っていると、ピト、と冷たいものが頬にあたった。

見ると彼の手である。

「顔、赤いぞ」

その彼の行動に、更に顔を紅潮させ、「五月蠅い、早く手袋をつけろ」と言って手を退けさせた。



「じゃあ、ネジの一個貸して?」


彼は己の手袋は付けずにそういってきた。

よく分からないも、白い手袋を貸す。


それを付けて、彼は青色の手袋をネジに渡した。


それを付けた後、
「へへっ空色」

そう言って両手をヒラヒラさせた。


「馬鹿だな」


「ひでっ」


そう言いながらも、己の両手を見て、ホントだ・と思い笑みが零れる。



びょう、と強い風が吹き、二人の髪を撫ぜた。

さわさわと枝が擦れる音がする。



もうすぐ春だな…

お前の天敵の季節だ

なんだよ、それ

あぁ、空気が透き通っているな

おぃ、シカトすんなよ








◇◆◇◆◇◆

ジャイ子様からの投稿です!胸キュンキュンですよー!!ネジが手袋…想像しただけで鼻血が込み上げてくるのは私だけでしょうか否!そんな事はないハズですよ(何)

ほのぼの大好きです!投稿有難う御座いました!

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あきゅろす。
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