一筋ノ光
四
一筋ノ光 ― 四 ―
何だ……?悲鳴……?
今日はなんだかいつもと違っていた
マサが来ないし
定期的に来る命を繋ぐ為のご飯も来ないし
それに、上から悲鳴のような叫び声が聞こえるような気がする
なんだろう
何があったんだろ……
気になるものの、ここから出られない俺は仕方無く大人しくしていた
マサ……会いたい、よ
――タタタタタッ
「銀!」
「っマサ!?」
俺の願いが届いたのか、マサが勢い良く走ってきた
額には汗を浮かべ、なんだか顔は険しい
どうしたんだ?
いつものマサらしくない
「逃げるぞ!ここから、出来るだけ早くっ!」
「え……?」
逃げる……?
ここから……?
そんなの…
「無理、だよ……。鍵…かかってるし、皆に…見つかっちゃう、よ。」
「鍵ならここにある!」
マサは鉄格子の鍵をガシャンッと音をたてて開けた
外へ……行ける、のか?
「でも、何でまた……。」
「説明してる暇は無い!早くっ!」
マサはグイッと俺の腕を引っ張った
すると突然、パンパンッという発砲音が聞こえた
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