どうしようもない
カイトがヘタレのヘタレです(多分←)
「めぇ…ちゃ、ん」
「ん?何ぃ?」
素っ気なくメイコは返事をする。頑張って名前を呼ぶだけ呼び、そのあとの言葉が言えない。
いつもその言葉を素直じゃなさそうなキミは言ってくれる。
それに俺は頷き、顔を赤くする。
これがお決まりでいつものことだった。
だが……
このままでいいのか?
よくない。だから俺は、俺は…
このヘタレを脱出するっ!!
「めー……ちゃん」
「だから、何?」
キスも自分からできない。
「めーちゃん」
「ん」
触れない。
メイコの返事がだんだん適当になってくる。
だめだ……
このままだときちんと聞いてくれない。
ごほん
と咳き込み、カイトはメイコの手を握る。
が、それ以上ができない。
涙が出てきそうだ。
手に気付いたメイコはカイトを見る。
「どしたの?カイトから手なんて……」
それを言われたら尚更言えない。
これ以上ができない。
手から熱くなっていき、次第に顔も熱くなっていく。
「……無理しちゃだめ」
メイコは小さくつぶやいて、手を握ったまま、また雑誌を読み出した。
また俺は何もできない。
ヘタレなんて大嫌い…っ。
涙が出そうな顔を苦くしうつむいた。
________
ヘタレなカイト好きよ
でも、これはヘタレすぐる…
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