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*短編小説*
【ぬくもり】

高い空に果てなく続く青。
人里離れた地で流れ行く雲を見送りながら、自身は地面に腰を下ろした。


草花が溢れんばかりに咲き、木々は力強く生い茂る。数時間前まではただの荒れ地だった場所だが、今は緑が美しい。


今日も仕事を終えた。


ふぅと息をつき、今度は大地に身を預ける。


吹き抜ける風が心地良い。


植物達のざわめく声を聞きながら、単身平和な時間を楽しんでいた。


元々、ひとりでいるのはあまり好きではない。孤独というものは静かで、寂しくて、虚しくて…それに冷たい。

だけれども、ここにはたくさんの命がある。草、花、木や茂み。やがて動物達も住み始めるかもしれない。暫くは人間達に壊される事も無いであろう場所だ。


命は温かい。その温かさがとても安心する。
こういうのを「ぬくもり」…と言うのだろうか。

とにかく、その温かさは植物とて例外ではない。少なくとも自身はそう思う。

肌に感じる熱は無いけれど、手を添えれば僅かに揺れて「声」を聞かせてくれる。

「声」に音は無い。だから耳に触れるものではない。



だけど、確かに伝わってくる。


賑やかではなく、静かでもなく。囁くようだけど、はっきりと分かる。


「声」…それは植物達の心。植物達の気持ち。


そして、そんな「声」に包まれていると気持ちが安らぐ。



…あぁ、これが植物にとっての「ぬくもり」とか言うものなのか。


ここはそんな「ぬくもり」に溢れている。




だからここは、



温かい。



the end.





*後書き*
気まぐれで書いた短編。美容院に行った際の待ち時間に書きました(笑)。
今回登場した人物は、タイトル一覧にも書いちゃってますがイマさんです。
一覧を見ていなくても文中にヒントがごろごろしてましたね。

因みに、何故「温もり」がひらがなで書かれているのかと言うと、イマがその漢字を知らない程に「温もり」という言葉を知らない為です。
…何度もポップンパーティに参加してるのにそんな漢字も分からないって…;

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あきゅろす。
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