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*短編小説*
【もとい仕事は明日から】

「おーっすMZD!ちゃんと仕事して…って、うわ!?」

部屋に入ってきたミミニャミは、目の前の惨劇に唖然とした。様々な楽譜が散らばり、段ボールの山は崩れ、謎の機械が山積みになっていたのだ。


「お、ミミニャミ!良いトコロに来たな!」

物の山からひょいと顔を見せたのは、紛れも無くMZD。かなり嬉しそうな顔つきだ。

「見ろよコレ、最新の『俺様DJセット』だぜ!この辺のテカり具合が最高に…」

「そんな事より、この悲惨っぷりはナニ!?」

「んー?これは新しい決めポーズを考えてた時にぶつかってドーンと…」


ミミニャミは呆れて ため息しか出なかった。いつもながら、神は余計な事をしてくれる…。


「…取り敢えず、さっさと片付けて仕事するよー?」

ミミが四散した楽譜を拾い集めようとすると、MZDが突然二人を呼び止めた。

「あー待て待て、これは片付けのプロに任せようぜ」

「プロ…?」

ミミニャミが互いに顔を合わせている中、MZDは人差し指をくるくると回した。
すると、ボン!という定番の音と共に、お手伝い見習いの女の子が現われた。

「あ、ラッテ!」

「え?…あーっ!ミミさん、ニャミさん!」

「ひっさしぶり〜!」

「はい、数年ぶりですね!でも私、何でこんな所に…」


そう言って横を向いた瞬間、ラッテの動きがぴたりと止まった。


「よっ」

「神!?ちょっ…貴方ですね、私をこんな所に飛ばしたのは!!」

ラッテは目の前のグラサンに向かって指差して言った。

「まぁそう怒るなよ。掃除が得意なラッテなら荷物の整理の一つや二つ、あっという間に終わるだろ?」

「い・や・で・す!早く食器洗いを済ませないと、おば様に叱られてしまうわ!」

ラッテはつーんとそっぽを向いた。譲る気は断固として無さそうだ。

「神、諦めて自分で片付けたら?」

「仕方無いな…こうなったら奥の手を使うか」

「(諦める気は無いのか…)」


部屋の端でむすーっとしているラッテを呼んで、MZDは高らかに宣言した。



「もしこれらを全部片付けてくれたら、今日のおば様の機嫌は保証するぜ?」


「オッケー♪任せて下さいっ!」

あっさりと交換条件に乗ったラッテは、鼻歌交じりに書類を整え始めた。さっきまでの怒りの表情から一変、すっかり上機嫌になっている。

「ふぅー、んじゃ俺達は別の部屋で仕事すっか」

MZDはすたすたと部屋を出ていった。呆気にとられていたミミニャミも、はっと我に帰ってその後を追った。



「…MZD、何でそこまでして掃除をしたがらないの?」

廊下で不意にニャミが質問してみると、MZDは腕組みをして、


「俺様、神だしぃ?」


ガスッ


…それと同時にミミニャミに殴られたそうな。



the end.





*後書き*
一応ギャグのつもりで書いた、昔の小説を書き直したもの。神様は家事に関しては面倒臭がりのようです(笑)。

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