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開き直るって大事。


「腹黒眼鏡ーーー!」

「人聞きの悪いあだ名を叫びながら飛び付いて来るのはやめてくれないか」


何でそんな説明口調なんだよカブト君。
まあそれは良いとして。


本日!
私、苗字名前ちゃんは、めでたく軟禁解除となったのでした!
つっても、アジトからは出られないんだけどね!


そして早速、あの狭くて暗い部屋から出て、廊下を歩いていたカブト君に突撃インタビュー!という訳だ。




「いやー、大蛇丸さんにウザイくらいしつこく交渉しまくった甲斐がありました!」

「うん。何だかその様子が、用意に想像出来るよ」


そしてカブト君は、自分の作業(何かの荷物運び)に戻ろうとする。

えっ?いやいやいや、




「私、暇なんですけど」

「知った事か」

「秒殺だと!?いやん暇ぁー!」


あ、今カブト君ったら「くっそウゼエこの女」って顔をしたなモロに。

全く、暁に居た頃は(主にデイダラ君や飛段君のお陰で)暇する事なんか、滅多に無かったのになあ。



「私、まだここに来たばっかりだし、カブト君くらいしか友達居ないんデスよ」

「僕がいつ君の友達になった?」

「ムカー!」


くっそーカブト君、ぴくりとも笑わないぞ。
ホントに嫌われてるんだなあ私。

だがしかし!嫌われたくらいでへこたれる名前ちゃんでは無い!



「はぁ……。ちゃんと忠告はしただろ。暁でどんな生活をしていたかなんて知らないけど、ここではそういうふざけた雰囲気は通用しないってさ」

「大丈夫です!やるなと言われたら徹底的にやるってのが、基本コンセプトですから!」

暁って全体的にそういう組織なの?


暁全体は知らないけど……私はこれで通してたぞ。
食うなと言われた団子は食べる。いじるなと言われた粘土作品の額には肉と彫る。

うわ、今思えば結構色々やっちゃってんな。また会えたらとりあえず謝っとこう。



「んー、皆さん何だかんだ言って寛大でしたからねぇ。サソリさんには絶対逆らいませんでしたが


サソリ、という名前を出したら、カブト君の雰囲気が変わった。
そう言えば、カブト君は元々サソリさんの部下だっけ。



「………サソリ、ねぇ。あの姿しか見た事無いな」

「あの姿って、ヒルコですか?中身見た事無いんデスか?一度も?
うっわ不幸〜

「何でそこまで言われないといけないんだ。そんなに?」


そんなにですよお兄さん。
サソリさんの中身を見た事無いなんて、人生損してるね。8割くらい損してる。



「アイツ、いつもヒルコに入ってるだろ?陰気臭くて、余り好きじゃあ無いな」

「違うんです!サソリさんは陰気なんじゃなくて、シャイなんです!

「本人に無断でそんな事言って良いの?」


今頃サソリさん、原因不明のくしゃみをしてるに違い無いよふふふ。



「いやしかし、カブト君も案外良いツッコミしますねぇ 」


にやにやと笑いながら言ってやれば、いつの間にか私のペースに呑まれていた事に気付いたらしい。
少し表情が歪む。



「………チッ。今に身を滅ぼすよ」

「まぁだ言いますか。そんなに心配してくれなくても、大丈夫ですって」

「別に心配してる訳じゃないから」

「むぅ……カブト君は、ツンデレの素質は皆無デスね」



言いながら、私はカブト君の持っている荷物の3分の1くらいを取り上げた。


「少し持ってあげますよ。どうせ暇だし」


さあ、どこに向かってるのかは知らないけど、一緒にひとつの作業をしたら、仲も深まるってモンですよ!



「ああ、持ってくれるのは有難いけど






大蛇丸様の部屋に行くんだよ?」

すみませんちょっと野暮用がよし今すぐ行こうか



ああああぁぁぁ!!!
嘘だろ!何この死亡フラグ!何その良い笑顔!



「カブト君なんか嫌いだぁぁぁぁ!」


首根っこを掴まれて引きずられながら叫ぶと、カブト君は一層愉快そうに笑った。




(いやホント、死ぬ!死にますから!)
(大丈夫。大蛇丸様は君を気に入って(そういう死ぬと違う!)

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あきゅろす。
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