生き残るのが先決です。
っていうか、アナタ私をなめてんですか?
何か術を教えてくれって言ってんのに、「クグツの手入れをする」ような短時間で出来る訳無いでしょ。
デイダラコーチ(既に)の指導開始3分で、私はようやくその事に気付いた。
デイダラコーチは、あからさまに「チッ」という顔をしている。
「マジで適当に済ますつもりでしたね?」
「だってお前うるせーんだもんよ、うん」
「逃がしませんよ。責任は取ってもらいマス」
「何でオイラが何かしたみたいになってんだ!うん!」
私に捕まったのが、運の尽きって事デスよ。うん。
「とにかく、チャクラの練り方だけでも教えてくれたら、後は自分でなんとかしますから」
チャクラさえ練る事が出来れば、後はアレだ。木登り修行とかすれば良いんだ。原作を読んでる故の自信ですね。
「……じゃあ、チャクラの練り方を教えてやる、うん」
「あざーす」
それから小一時間、デイダラの指導はなかなか上手だった。
そして、原作を読んでいくらかのノウハウを知ってる私の成長もめざましかった。
「あ、チャクラ練れてんじゃねーか、うん」
「マジで!?練れてます!?やっぱ名前ちゃん天才じゃね!!?」
「……そこはオイラのお陰だろ、うん」
まあ誰のお陰かは置いといて、
「いやぁ、助かりました。一時はどうなるかと思いましたが、これでとりあえずは安心デスね。
という訳で、居候させて下サイ。」
「ガッツリ話が違うじゃねーか。ふざけんなよ、うん」
「良いじゃないですかー。人間、満たされると欲が出てくるモンなんですよー」
「人間辞めさせてやろうか?」
起爆粘土を構えられたので、即座に謝っておきました。(身の程は、分かっているつもりです)
でもこのまま放り出されても、お金も無いし食べ物も無い。勿論、行くあても無い。チャクラが練れただけじゃなあ。
どうにかならないか、と考えていたら、
「…………あ、」
めちゃくちゃ良い考えが、頭に浮かんだ。
やっぱ私、天才だわ。
「あのさぁデイダラ君、私、異世界から来たって言いましたよね?」
「ん?ああ、何かほざいてたな、うん」
「私がいた世界にね、この世界の事を記した書物があったんデスよ」
デイダラ君の表情が変わった。
流石は優秀な忍。察しがよろしいようで。
「今現在、この世界で何が起こってるかを教えてくれたら、これからどうなるかを教えてあげられますよ?勿論、分かる範囲で、ですけど」
どうですか?
期待を込めてデイダラ君を見る。
にや、と笑ってみせると、デイダラ君も若干不本意そうに、にや、と笑い返した。
(世の中、したたかに生きたモン勝ちデスよ!)
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