次にすべき事は
「…………っていう訳で、私は異世界から来たんですよ。分かって頂けました?」
ここに来てしまった経緯をざっと話し、私はのんびりと言葉を切った。
目の前のちょんまげ君は、訳わかめ(死語)という顔をしている。
「んな事言われても、素直に信じられる訳ねーぞ、うん。なぁ旦那?」
「面倒くせー」
「ほら、旦那は信じるってよ」
「勝手に脳内変換してんじゃねーよ。俺は面倒くせーって言ったんだよ。おいデイダラ、こんな怪しい女なんざ放っといて、さっさと行くぞ」
あ、それなんだけどね。
「ちょい待ち」
「ぐぇぶ!!」
去ろうとするデイダラ君のマントを引っ張ったら、なんだか愉快な声を上げた。
デイダラ君、喉を押さえて涙目だ。
「ぶっ殺すぞてめぇ!!」
「いやいや、あのさぁ私、行くとこ無いんですよね」
「知るか!勝手に飢え死にでもしてろ、うん!」
酷いな。
でも、よくある夢小説じゃ、この辺で生活する場所を確保しなきゃなんだよね。
こいつらにタカるしかない。
「か弱い女の子が困ってるんですよ!助けてあげなくて良いんですか?」
「お前の第一印象がもうちょっと良かったら、助けてやってたかもしれねーな、うん」
……どうやら、助ける気は皆無の様だチクショー。
おっかしいな。大抵の夢小説では、都合良く居候させてもらえたりするのにな。駄目なのか?御都合主義、駄目なのか?
「…………じゃあ、お金下さい」
「ストレートだなオイ。やる訳ねーだろ、うん」
「どうしろってんだ」
「知らねーよ」
何か、ちょっと行き詰まってきたぞ?
でもどうにかして、これから生きてくすべを…………
………すべ?
……………術………
「ああ、じゃあ何か忍術教えて下さいよ。分身の術とかで良いから」
「はぁ?何でオイラが、見ず知らずのお前に……」
デイダラ君が反論しようとすると、背後にいたサソリさんがヒルコの尾っぽで、デイダラ君をちょこっとつついた。
私に聞こえない所で、何やらひそひそ話す2人。
「……アイツうるさいから、何かちょこっと適当に教えてやれ、俺はクグツの手入れをしとくから、と言われたぞ、うん」
「……それ言っちゃったら、ひそひそ話した意味無いんじゃない?」
もう、可愛いなあデイダラ君。
とにかくそんなこんなで、めでたく夢小説的な流れをゲットしたのでした!
(で、忍のスキルは……)
(皆無デス!!)
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