超突発!暁鍋祭り!@
「リーダーーー!!!」
まさに不意打ち。
久々にアジトに来たリーダーの背後から、思いきりタックルを喰らわせた。
………筈だった。
「……名前か」
ひょい
「ぎゃっ!!」
渾身のタックルを避けられたせいで、私は壁に激突したのだった。
「うう……酷ェですよリーダー……」
「お前が突っ込んで来るのが悪い」
「だってだって、あわよくば神(自称)にクリティカルなヒットをと……」
「………お前は俺を馬鹿にしているのか?」
(自称)←が気に入らなかったらしい。
まあ、それはともかく。
「今日は勿論小南ちゃんも一緒ですよね?」
「……………………(若干の抵抗)……ああ」
「小南っちゃーぁぁん!!」
神なんて知った事か!天使様ァァァ!!!
次は小南ちゃんに飛び付きに行った。
小南ちゃんには、あくまで飛び付きに行ったのだ。タックルではない。ここ重要。
そして小南ちゃんは、快く私を受け止めてくれた。どっかの神様とは大違いだ。
さて、久々に皆揃った所で、今日は嬉しい発表がある!
「今日の御飯は鍋ですよ!」
皆の前でそう宣言すると、皆一様にぽかんと阿呆面になった。
「……何故?」
短く問うたのはリーダー、ペイン。
「だって、よく考えてみて下さいよ?天下の暁が、鍋ですよ?」
各国で指名手配中のS級犯罪者達の集団。
黒い衣に紅い雲模様。笠にはちゃっかり鈴なんて付けているお茶目な……
……いやいや、もとい超恐れられている暁が。
「鍋ですよ?皆で鍋ですよ!?絶対絵柄的に面白いデスよ!!」
「何故お前は暁に面白さを求めるんだ」
と、いう訳で!!
「超突発!!暁鍋祭り!!」
「………おい、誰かあの馬鹿を何とかしろ」
「良いじゃないペイン。はしゃいでいる名前も可愛いわ」
「……………」
ダシの準備とか、野菜や肉を切ったりとかは鮫さんに任せて、私は小南ちゃんのお隣で近況を報告する。(もち、小南ちゃんとリーダーの間に割り込んで座っている)
「で、また火遁がレベルアップしたんデスけどーやっぱ分身が出来ないんデスよねー……」
「コツが分かれば簡単よ」
「分身も出来ないのか……」
そして相変わらずべたべたな私と小南ちゃんを、遠巻きに見つめる野郎共。(約一名、超近距離から睨んでいるが)
「あーあぁ。いつもなら名前は、俺の膝にいる筈なのになぁー」
「……飛段、あんましデカい声で言うなよ。小南にしばかれるぞ……うん」
その後、自室で寝ていたイタチ兄さんを起こしに行ったり、サソリさんをあの手この手でヒルコから出したりしていたら
「皆さん、鍋の用意が出来ましたよ」
鮫さんの呼びが掛って、皆が台所に集まった。
「……そういや、ゼツさんも食べるんデスか?」
「食べるよ」
「ふーん…………あ、サソリさんはどうします?」
サソリさんは傀儡だから、食べられない筈だ。
「俺は別に………部屋に戻ってヒルコの手入れでもしてる」
「それは駄目ですよ!折角皆揃ったのに!クラスで友達作れなくてひとりで給食食べてる子みたいになっちゃいマスよ!」
「嫌な例え方だな…………」
「んー、どうしましょうか……………あ、鍋奉行をお願いして良いデスか?」
「……………ふん、良いぜ……(ニヤリ)」
鍋奉行を任されたサソリさんは、黒い笑みを浮かべる。
(……あ、人選ミスったかも……)
私も含め、メンバー全員が若干の後悔を覚えて、そうして『超突発!暁鍋祭り!』は開幕したのだった。
(さて、まずは野菜から入れるか……クク……)
(……野菜……だよな…?)
* * * * * * *
下らない内容で、まさかの次回に続く。
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