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銀魂パロ(ジノスザ+アニャ)
ラウンズ367トリオ話
※キャラ崩壊仕掛けてるギャグ話です
心の広い方だけ御覧下さい
「あの〜すいませ〜ん」
電話で仕事を依頼されて来た場所は、とある鍛冶屋だった
「ナイト・オブ・ラウンズですけどォ」
薄暗い作業場で赤熱したブロックを鎚(つち)でガァン、ガァンと叩く音が耳に響く
「すいませーん、ナイト・オブ・ラウンズですけどォ!!」
呼び掛けたが反応がないのでもう一度呼び返してみる
刀匠と弟子らしき人物が、交互に刀身を鎚で叩いている
「あーーー!!あんだってェ!?」
「ナイト・オブ・ラウンズですけどォ!!お電話頂いてまいりましたァ!」
両方の小指で耳穴を塞ぎながら自分が来たことを伝える
「新聞ならいらねーって言ってんだろーが!!」
「バーカバーカウ〇コ!!どーせ聞こえねーだろ」
陰口を叩いたジノに、刀匠の鎚が顎(あご)目掛けて勢いよく飛んできた
「いや、大変すまぬことをした!!」
応接室に案内され大声で謝る刀匠
「こちらも汗だくで仕事をしているゆえ手が滑ってしまった、申し訳ない!!」
「いえいえ……ぜってー聞こえてたよ、コイツら」
ジノの左目の周りには青紫の立派な痣が出来ていた
「申し遅れた。私達は兄妹で刀鍛冶を営んでおります!私は兄の鉄矢!!そしてこっちは…」
ふわっ毛で頭に赤いハチマキのようなものを巻いた妹はそっぽを向いた
「ってオォォォォイ、挨拶くらいせぬか鉄子!名乗らねばヴァインベルグさんお前を何と呼んでいいかわからぬだろう。鉄子!!」
「お兄さん、もう言っちゃってるから。デカイ声で言っちゃってるから」
「いやーっすいません、ヴァインベルグさん!!コイツ、シャイなあんちきしょうなもんで!」
口論をしているうちに気付いたことがひとつ
「それにしても廃刀令のご時世に刀鍛冶とは色々大変そうですね」
「でね!!今回貴殿に頼みたい仕事と言うのは…」
「オイ無視かオイ、聞こえてなかったのかなー」
このお兄さん、人の話を全然聞いてくれない
「実は先代…つまり私の父が作り上げた傑作“紅桜“が何者かに盗まれましてな!!」
「ほう!“紅桜”とは一体何ですか?」
「これを貴殿に探し出してきてもらいたい!!」
「アレェェ!?まだ聞こえてないのォ!?」
硬直するジノを余所に淡々と紅桜について説明し始める兄、鉄矢
「そうですか!スゴイっすね!で、犯人に心当たりはないんですか!?」
「しかぁーしッ、紅桜は決して人が触れていい代物ではない!!」
「お兄さん!?人の話を聞こう!!どこ見てる?私のこと見てる!?」
キレ気味にツッコむジノを鮮やかに無視し、黙々と説明し続ける兄、鉄矢
「あれは…あれは人の魂を吸う妖刀なんだ!!」
「オイオイ…ちょっと勘弁して下さいよ!じゃあ、私にも何か不吉なことが起こるかもしれないじゃないですか!!」
鉄矢は床に手を添え
「ヴァインベルグさん!」
そのまま恭(うやうや)しく頭を下げる
「紅桜が災いを呼び起こす前に何卒よろしくお願いします!!」
「聞けやァァァ!!コイツ、ホントッ会ってから一回も私の話聞いてねーよ!!」
すると…妹の鉄子が小声で困り果てているジノに助言した
「…兄者と話す時は、もっと耳元によって腹から声を出さんと…」
「えっ、そうなの。じゃっ…」
ジノは鉄矢の右端に座り、耳元に近づくと腹から耳鳴りがするほどの大音量で話し掛ける
「お兄さァァァァァァん!!あの……」
「うるさーい!!」
「ぶべらァ!」
鉄矢の右ストレートがジノの顔面に命中
ジノはその威力に太刀打ち出来ず血を吹き吐いた
その頃…アーチ上の橋でスザクとアーニャは、「失踪した星刻の所持品を見つけた」と、言うのでエリザベスから詳細を聞いていた
「じゃあ、ここで見つけたっていうの?それ」
エリザベスは口の中から血染めの小袋を取り出す
「血染めの所持品…おまけにここ数日星刻さんの姿を見てないなんて。どうしてもっと早く言わなかったんだ、エリザベス」
頭をうなだれさせプラカードを掲げる
「最近巷(ちまた)で辻斬りが横行している…もしかしたら…」
「…エリザベス、君が一番わかってるだろ。星刻さんはその辺の辻斬りなんかに負ける人じゃない」
「でも…これを見る限り何かあったことは明白。早く見つけ出さないと大変なことになるかも」
アーニャは血染めの小袋の紐を右手で掴み、川岸の隅においてあるモルドレッドに目を向ける
ふと、スザクがプラカードに書かれている文章を仰ぎ見て思わず激怒
「もう手遅れかも…」
「バカヤロォォォォ!!」
「ぐはっ!!」
スザクの怒りの右アッパーがエリザベスの左頬に直撃
勢いよく高速回転し、地面に叩き付けられ、後ろにずり落ち止まったと思いきや倒れ込んで吐血している
打撃ダメージが大きかったらしい
「お前が信じないで誰が星刻さんを信じるんだ!!」
吐血しながらも力無く起き上がろうとするエリザベス
スザクにアッパーを受けた左頬が赤く腫れている
「お前が前に悪徳奉行に捕まった時はなァ…星刻さんはどんなになっても諦めなかったぞ!!」
険しい形相のスザクは、エリザベスの着ぐるみを両手でムニュッと握り締め大声で叫ぶ
「今お前に出来ることはなんだ!?星刻さんのために出来ることはなんだァ!!言ってみろ!言えェェ!言うんだァァァァ!!」
もはや誰だかわからない、暴走気味のスザクに言ったエリザベスの言葉は
「………ってーな」
「えっ…」
「ってーな。離せよ、ミンチにすんぞ」
迫るスザクにキレた中身のオッサンが、ドスの効いた声でボソッと喋った
「すいまっせ〜ん」
スザクの態度が180度急変する
頬の腫れが引き、吐血が治り、悠然と佇むエリザベスに突然土下座で謝り始めた
「スザク…私はモルドレッドでいろいろ捜してみる」
パイロットスーツ姿のアーニャはモルドレッドに乗り込み急発進させる
「スザクはエリーと一緒に、辻斬りの方を調べてみて」
モルドレッドが空の彼方に消える中、スザクとエリザベスの間には険悪な空気が流れていた
苦笑いをするスザクにエリザベスは、口元に溜まった血を吐いた
そんなスザクを無視し、ペタペタと歩き橋の手摺(てす)りに手を置き、何かをじっと考えながら物思いにふけっていた
閑寂エチュード
(何処を探しても貴方が居ない)
……すみません
367が好きなんです
本編でスザクが笑ってない分、せめて…ここだけでは笑わせてあげたいんです
スザクがツッコんだり、ジノにツンデレ(いつもですけど)になってみたり
そういう心意気で書きました
お題拝借、ニルバーナ・9円ラフォーレ様
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