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喪失アナザーサイド




警告!

五体満足、18歳ナナリー設定要注意。SSSログ














カタッ、カタカタ

一人の鎧(よろい)を纏った武者を前に

カタ、カタタッ

心底竦(すく)み上がるほどの、恐ろしいほどの重圧……

カタンッ

鎧武者から般若の面が自然と取れ、木枯らし吹く風にふわりと舞う



「見事だよ!!大将はそうでなくてはならない」

V.V.は持っていた扇子を広げ、右の拳でゼロを地に捩伏(ねじふ)せたシャルルを見つめ笑う

「……安心したよ。やっぱりシャルルも、ラグナレクの首謀者!!」

ゼロが倒れた反対側に、くるりと踵(きびす)を返し、立ち去ろうとする

妖しく嗤(わら)う般若の面を被り、全裸状態の何者かがシャルルの左側を横切った

「!!?」

僅かに空いている仮面の隙間から、シャルルを横目で哀れんでいるかのように、冷たく見つめる

ゼロの元へと足を進め、身を屈(かが)ませる

「――――すまない。ゼロ………」

うつぶせに倒れながら荒く息を吐くゼロ

「バカ…ナナリー…」

怪我のダメージを正面からくらったのか、口元からは仮面が剥(は)がれ大量吐血している

「そんな気安く私に凶器(ちち)見せちゃ駄目だろ――…」

この数年間でそれなりに観察力は養(やしな)ったが、仮面があるためナナリーの表情はまったく読み取れない

「私は……だめですね…」

膝を折り曲げ、哀しさのこもった声で静かに言い放った

「お兄様を止めるのは私の役目であったのに…あの時はスザクさんに変わってもらった」

息も絶え絶えなゼロが何かに気づく

「私はいつも私がやらなきゃならない事を誰かにしてもらってばかり」

よく見ると、ナナリーが被っている般若の仮面の中央に亀裂が入る

「しかし……私は最後の最後まで己の“席”(やくめ)にしがみつきたいのです」

綺麗に二分割された仮面は、コォンッ…と、音をたて地面へ落下した

「勝手ばかり言いますが最後の“ケジメ”だけは任せてはくれませんか…そうしなきゃ私は…」

目の前を覆っていた膜が落ちたように、ナナリーは泣き顔をゼロに晒(さら)

「私は地獄でお兄様に合わせる顔すらなくしてしまう……!!」

喪失の悲しみ、痛み、後悔に――

目の前にいるゼロの輪郭すらぼやける

「……待て…オイ…ナナ…“ケジメ”だと?」

上半身を起き上がらせたゼロがナナリーを見上げ、戸惑いを覚える

「オイッ!!何…する気だ?ナナリー!!」

心急(せ)く思いを抑え、ナナリーを制する

――――私は

……お兄様の魂を連れていく役目すら

シャーリーさんに任せてしまった……

「V.V.!!シャルルは…シャルルこそは必ず私が連れていく!!」

きっぱりと告げられた言葉が、耳のなかで渦巻く

「私がこの男を倒す!!」

明文化されることなく、心の底に蟠(わだかま)っていた疑念が頭を擡(もたげ)

ナナリーから放散される裂帛(れっぱく)の殺気に、シャルルは胸苦しい圧迫感を覚えた



失アナザーサイド



(例え枯れ果て朽ちたとしても)









ルルーシュは数年前、既に死んでいて、スザクはゼロのまま

ギアスを破った五体満足のナナリーは現皇帝

そこにV.V.とシャルルの亡霊が蘇り、ラグナレクを完遂させようとし

計画実行を阻止しようとする、邪魔なゼロやナナリーを倒そうと奮闘



まあ……つまりは、ナナリーVSシャルル

ナナリーの台詞、地獄にいる〜は管理人の趣味

天国やあの世っていう表現じゃ、いまいちナナリーの気迫や覚悟が伝わって来ないのでああしました


…ってゆーかただ単に、カッコいいナナリーが書きたかっただけ(オイ)









お題拝借、闇に溶けた黒猫様


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