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シュガーレス・ミルク・チョコレート




スザクの愛機、ランスロットが収容してある格納庫

足早に任務を終えて帰ってきたら、また災難

「ジノ」

「何だ?スザク」

「あの…重いんだけど」

「ああ、それがどうした?」

この大型犬、困ったことにさっきからスザクの背中にぴたりとくっついて離れようとしない

「ジノ!スザクが困ってる」

そんなスザクの姿を見兼ねたアーニャが、溜め息をつきながらも助け舟を出してくれた

「アーニャの言う通り、いい加減にしてくれ」

「なんだよー!アーニャまで」

何を言っても飼い主の言うことを聞かない大型犬ジノを余所に、アーニャはあることを思い出した

「…記録」

持ち歩いている携帯で、写真を撮るのが、本人いわく、常日頃の人間観察に役に立っている…らしい

敢えて言うならアーニャの癖のようなものだ

「おっ!アーニャ。その写真見せてくれるのか?」

アーニャは無表情のままボーッと突っ立っている

「アーニャ?……どうかしたのか」

「僕達、アーニャに何かした?」

心配した2人がアーニャに話しかけると、携帯を片手にどこかへ向かおうとする

「今の写真…見せてくる」

「誰にだ?」

「ヴァルトシュタイン卿」
「ちょっと待って!」

「まま、待てっ!アーニャ!」

帝国最強の騎士、ナイトオブワン

ビスマルク・ヴァルトシュタイン

そんな人にこんな写真を見られたら、間違えなく何らかの疑惑を持たれる

「わかったよ、離れればいいんだろ」

ジノは納得がいかない様子だったが、ナイトオブワンに知られるのを恐れて、しぶしぶスザクから離れた

「あーっ!重かった」

肩の重荷が降りて爽やかな笑顔をアーニャに見せる

「スザク、その清々しい笑顔は何なんだ?」

「どっかの大型犬が、飼い主の言うことを聞かないから苦労してるんだよ」

スザクは飛び切りの笑顔をジノに向けるが、内心は苛立っている

自然に放出されている怒りのオーラで直ぐさまわかった

「ご、ごめんなさ〜い」

珍しく素直に言うことを聞くジノにスザクはさらに辛辣な言葉を浴びせる

「謝って済んだら警察はいらないよ」

さらに追い撃ちをかける、飼い主スザク

「君の愛情表現って、僕にとってはウザったいの他でしかないんだよ」

「そ……そこまで言わなくてもお」

しまいには体を丸め、うずくまり泣き出す

人懐こい大型犬は、飼い主の厳しい叱責に耐えられなかった

「まあ…これからは僕が時間をかけて躾(しつけ)てあげるから」

そう言うスザクの真意に気がついてしまったジノ

「今日からジノは僕の忠実な飼い犬だよ」

「ワンッ、スザク」

「スザクじゃないでしょ?」

「申し訳ありません。ご、ご主人様」

「調教が足りないようだね。きちんと餌付けして、忠犬ジノ公になってもらわないと」

「ワンワン」

「僕が非常に困るんだ」

ジノはSなスザクの姿を想像してしまい、1人で勝手に悶えてた

「何興奮してるの…?」

スザクは呆れた顔でジノを見つめる

「スザクにあんなことやそんなことをされたら私ィ…!」

「…重症」

「アーニャ、こんな犬はほっといて報告書出しに行こうか」

「うん」

コクリと頷くアーニャ

「あっ!待てよスザク。恋人を置いてくなよー」

「誰がいつ君と恋人になったの?」

鋭い口調で調子にのり過ぎた飼い犬を黙らす

「……すみません、ご主人様」

「分かれば良し」

「忠犬と飼い主……」

こんな感じでラウンズ3人組はいつも仲良しです







(これ、ブログにのせよーっと)


あきゅろす。
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