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何が起こるかわからない




遅くなりましたが「ジノ誕」で367トリオのギャグ話です

※何でも有りな設定が許せる方のみお進み下さい








銀魂、二十三巻、第百九十五訓「時には昔の話をしようか」パロ






11月も終わりに近く、年末は直ぐそこまで迫ってきている

ナイト・オブ・ラウンズの一員であるスザクとアーニャは、掃除用具を買いに行ってるジノの代わりに、依頼人を通す応接室の大掃除を手伝っていた

「え?どんだけ〜じゃないの?今年の流行語大賞、絶対獲(と)ると思ってたけど」

紐でひとまとめに結び、山積みにされたジャ○プが辺りに散乱している

「江戸では大賞らしいけど総合では五十位にも入ってない。宇宙は広いアル。えーと四位はなんだっけな…チンカス王子?あ、アレ八位だった」

古雑誌の回収日にジノが勿体振ってジャ○プを捨てなかった為、散らかり放題だった

「確か四位がEXLEのCDどこにおいてありますか?で…」

「なんだよ、それ…流行ってんの?ホントにそれ」

スザクはいらなくなったジャ○プを一通りテーブルの上に置き、アーニャは“糖分”と書かれた埃(ほこり)っぽい額縁を雑巾で丹念に拭(ふ)く

「三位が孫に頼まれて来たんだけどアル」

「なんで四位と三位繋がってんの?完全におばーちゃん孫に頼まれてEXLEのCD買いに来てるだろ、それ」

不意にスザクが的確なツッコミを口走る

「テメーで買いに行けよな、孫も。EXLEなんておばーちゃんわかるワケないじゃん」

「あ、今のそれ十三位アル」

「なんで感想までランキングに入ってんだよ!!」

「二位は…アレ…思い出せない」

糖分と書かれた額が床にガタンと音をたて落ちた

「一位は確かBzでいいですアル」

「諦めるなァァァ!!なんで諦めて違うの買おうとしてんの!?二位で一体何があったんだよ!!」

落ちた額の裏から茶封筒に入った数十枚の萎(しな)びた写真が出て来た

「あ〜あ、スザク。デカイ声出すから」

「なんで僕のせいなんだよ…ん?」

落ちた写真に気づいたスザクはそのうちの一枚を拾う

「何アルか?EXLEのCDあったアルか?」

「額の裏から写真が…」

写真の表側をペラリとめくる

「だいぶ古い写真みたいだけど」

「!!」

「コレ……誰?」

ナイト・オブ・ラウンズと書かれた看板の木造建築された住居を背に、締まりのない顔をしたジノと、ジノの右肩に腕を置きどこか艶めいた表情で微笑む、赤のチャイナドレスを着た美女が写っていた

「…コレ、ひょっとして」

「昔の女」

「え!?やっぱそう?やっぱそうなの?」

「間違いない。このいやらしいカンジは、完全にしっぽりいった仲ネ。こんなもん大事にとってあるなんて女々しいトコあるアルな、アイツ」

アーニャは写真の美女をじっと見つめ、ジノの昔の性格について指摘し始める

「ちょっ、早く戻して!!戻してェェ!!」

スザクは素早く写真を戻し、元置いてある場所に急いで額を元通りに置こうとする

「ジノが戻ってくる前に元通りに!!これ見たのバレたら気まずくなるよ、早く!!」

額を戻すアーニャを急かし、スザクが支える踏み台が揺れる

「おーう、洗剤買ってきたぜ」

「!!」

とか何とかやってる間に、買い物をし終えたジノが戻ってきた

「ジノ、キタァァァ!!早く!アーニャ早くううう!!」

「うるさいネ、今戻して…」

よほど焦りが生じたのか、スザクの踏み台を支える手がぐらつき、アーニャが乗る踏み台はバランスを失う

「うがァァァァァ!!」

その反動でアーニャが踏み台から落ち、室内にけたたましい音が響く

アーニャは辛(かろ)うじて無事だったが、スザクはアーニャの下敷きになっていた

「ん?」

衝撃音とともに生じた突風で、スザクの手から写真がヒラリとジノの足元へと飛び舞い降りる

「ジノ!!違うから!!あのっ…僕ら何も見てないから。何も知らないから」

「引きずってんじゃねーヨ。言っとくけど女の方はお前のことなんて覚えてない」

「アーニャ!!」

冷たく言い放つアーニャを焦ったスザクが制し、さらに冷や汗をかく

「オイオイ、随分と懐かしいもんが出てきたな」

「!」

「どこで見つけた?コレ」

写真を眺め、淡々と話すジノにスザクは妙な違和感を感じる

「…いや、掃除してたら…出てきたんだけど。額の裏から」

「ああそう。そんなトコにあったんだ」

「…え?なんか…あっさり…つーか、え?な…何なのコレ…?誰なのコレ」

ジノは一拍おいてからほぼ無表情のまま言い放った

「…なんなのって、ナイト・オブ・ラウンズだけど」

「…は?いや、ナイト・オブ・ラウンズは僕らじゃないか」

「今はな。お前らは言うなればニューナイト・オブ・ラウンズ。これは旧型(プロトタイプ)のナイト・オブ・ラウンズだ」

聞き慣れない単語にスザクは言葉の裏腹に戸惑いを見せる

「旧型(プロトタイプ)!?ちょっ…聞いてないんだけど、そんな設定!?」

「アレ?話してなかったっけ」

応接室の隣にある居間に移動し、三人はこたつに入りながら話を進める

ジノの真っ正面にいる飼い猫のアーサーは、欠伸(あくび)をしており寝ぼけ眼(まなこ)の状態だった

「…要するにな。お前らがウチに入る前の話だよ。俺がまだナイト・オブ・ラウンズ立ち上げたばっかりの頃。うち(ナイト・オブ・ラウンズ)にはお前らじゃなくて、別の仲間がいた時期があったんだよ」

ジノはこたつの台の上に置いてあるみかんの皮を剥き口に含む

「いや、ずっと一人でやってきたって前に言ってたじゃないか」

「基本は一人だよ。でもチラっとだけそういう形でやってた時期もあるんだよ。色々あんだよ大人には」

スザクもジノと同じく、剥いたみかんをペロリと食べている

「へェー知らなかった。僕らに先輩がいたなんて。何か新鮮な気分だよ」

「先輩って、お前。そんなたいしたモンじゃねーよ。一時だけだよ、すぐ解散しちゃったから」

「え?じゃあ、この肉感的な美女もナイト・オブ・ラウンズのメンバーだったの?」

「肉感的ってなんだよ。キモイアルスザク」

基本的にスザクは、アーニャの毒が入り混じった発言を耳を傾けず聞き流すことにしている

「コイツはアレだよ。メンバーつーか準レギュラー?今でいうキャサリンのポジションだよ」

「キャサリンさん!?コレキャサリンさん!?」

スザクはお登勢の隙を見てはサボろうとするキャサリンと、準レギュラーの肉感的な美女を比べてしまう

「まァ、普段はババアん所でホステスとして働いてて。たまに掃除しにきてくれたりナイト・オブ・ラウンズの事務とか手伝ってくれてな。色々気ィ回してくれるイイ女だったよ、キャサリンと違って」

ジノの口調にもどことなく郷愁感が滲み出ているのが分かる

「いやー懐かしいな」

「へェー今と違ってクオリティ高かったんだね。キャサリンさんのポジション」

「まァ、旧(ふる)き良き時代って奴だよ」

旧ナイト・オブ・ラウンズのメンバーの詳細にスザクは興味をそそられた

「もっと色々教えてよ。僕らは?僕らのポジションはどんな人達だったの?」

「おう、聞きたいアル。どうせ私達には勝てないけど」

「今と変わんねーよ。ナイト・オブ・ラウンズはトリオで回してたな。おめーらと同じで使えねー奴等だったよ」

「アハハハハ」

言っている本人も大して変わらないせいか、スザクは思わず笑ってしまう

ジノはおもむろに封筒の中からある一枚の写真を取り出す

「ああ、コレ写真あんじゃん。コレ、コレがスザクポジション。ダメガネのツッコミ担当金丸君」

そこにはスザクとは似ても似つかない人物が、ニューヨークのメインストリートの町並みをバックに写っていた

「金丸くん、クオリティ高っ!!」

ドレッドのきいた黒髪に右耳に金色のピアス、同じ色のサングラスをかけた、上半身裸の屈強な体つきの黒人男性

右手には銀色の光沢を放つ、お手製のサイコガンが装着されている

「なんだよコレェェ!!全然金丸君じゃないじゃない!!黒人じゃないか!!」

「いや、全然ダメだったよ。右手サイコガンなんだけどさァ、もう全然使えなくて」

「使えるだろォ!!コレ、どう考えても使えるだろ金丸君!!」

驚きに目を見遣るスザクが腐った魚のような目をしたジノにツッコむのは、いつものことである

「いや、確かに戦闘能力は群を抜いてたよ。確かに暗黒街では黒龍(ブラックドラゴン)と異名をとる程恐れられていたよ」

「メチャメチャ設定凝(こ)ってるだろーが!!」

「ただ、やっぱりツッコミがね」

「あ…ああ、なる程」

「ツッコミいないと成立しないから。ナイト・オブ・ラウンズ」

「まァ、外人さんだからそこは仕方ないよね。言葉の壁が」

「一回ビックリしたのがさァ。ファミレスで一緒にメシ食ってたの、金丸君と」

経緯は計り兼ねるが、多分仕事帰りにでも寄ったのであろうとスザクは一人で勝手に納得していた

「俺達ラザニアと茶漬けを頼んだんだけど…そしたら店員が俺の所にラザニア、アイツの所に茶漬け持ってきたんだよ」

聞いていたスザクは苦笑い

「あー!ツッコまないと金丸君。空気読めと!俺が茶漬け食うように見えるかーって」

「ダメアル。カタカナしか出てこないアル。やっぱ外人は無理アルナ。スザクじゃないと」

ここで、こたつに潜っていたアーニャが初めてジノとスザクの間で交わされた会話に口を挟んだ

「ネーチャン、わし頼んだの鮭茶漬けやのうて梅茶漬けやねんけど」

「日本語しゃべれるんかいィィ!!しかも茶漬け金丸君が頼んでるよ!!なんでてめーはラザニア食ってんだよ!!」

「あーやっぱ日本人は茶漬けが一番…って誰が日本人やねん!!」

「クオリティ高!!ノリツッコミだよ!!本場関西のツッコミだよ!!」

日本語とノリツッコミを巧みに操る金丸の存在に、スザクはツッコまないと気が済まない

「金丸君、関西人だったんだよ」

「思っきり日本人じゃねーかよ!!」

「わしは日本人やない、関西人やが口癖だったから金丸君」

「いねーよ、こんな関西人!」




「なんか自信喪失したんだけど…全ての面で負けた」

「まァ、スザクのポジションなんて誰でもこなそうと思えばこなせるアル。私の代わりなんていなかったでしょ。ジノ」

「いたいた、アーニャ的ポジションの奴も」

「なぬ!!」

何かを思いついたジノが茶封筒から違う写真を一枚取り出す

「コレ、紅一点の池沢さん」

そこ写っていたのはサングラスをかけた、アフロでパンチパーマのきいた屈強な上半身裸の黒人男性

右手にサイコガンを装備し、ニューヨークのメインストリートを背にポーズを決め突っ立っていた

「ほとんど金丸(さっき)と同じだろーがァァァ!!」

スザクのツッコミと、この金丸に似た人物と一緒にされたアーニャの静かな怒りがジノを襲う

「これのどこが紅一点なんだよォ!!」

「お前、私のポジションなんだと思ってんだ。三つ編みーコルァ!!」

ツッコミの対応には慣れているジノは臆さず、二人の怒号をさらりと跳ね返す

「つーかなんでさっきから全員、頑(かたくな)にサイコガン装備してんだ!?」

「あっワリィ間違った。コレ、アーサー的ポジションの古橋さんだった」

「余計理解できるかァァ!!」

「古橋さんはナイト・オブ・ラウンズのマスコット的存在だったんだよ」

「こんなマスコットいやだわ!!金丸君でも何ら変わりねーだろ!!」

一人で勝手に納得したジノであったが、また違う写真を取り出した

「ワリィワリィ、間違ったコレだアーニャは。紅一点の池沢さん」

そこには無難な着物を着、カチューシャをした黒髪のセミロングの女の子が、ピースをしながら笑顔で写っていた

「…あーカワイイじゃないか。よかったねアーニャ」

「パッとしないアルな。性別メスなだけアル」

「いや、そいつじゃねーよ」

「え?」

写真の右隅に小さく写っている人物の影を徐々に拡大してみる

すると…

サングラスをかけ、左右にドレッドをきかせた黒髪、出っ張った腹が何ともきつそうだが赤いワンピースを着ている

スザク的ポジションの金丸とアーサー的ポジションの古橋によく似た容貌

“月の光”と書かれた酒瓶を両手で抱えている逞(たくま)しい黒人女性が写っていた

「だからおんなじだろーがァァァ!!」

「サイコガンが酒瓶に変わっただけだろーがコレ!いい加減にしろよコルァァ!!これのどこが私なんだァァ!!」

古橋の時と同様、あらかさまに二人の顰蹙(ひんしゅく)を買ってしまう

まあ当たり前と言えば当たり前であるのだが、ジノは未練がましく言い訳し始める

「おちつけよ。池沢さんは以前主婦やってたんだけどな。旦那が職場で浮気して帰ってこなくなってから酒びたりになっちまったんだ。以来アーニャと同じでアルアルアルアル言うようになってな」

ジノが言うには泣きながらしょっちゅう

「アルコール!アルコールちょうだい!!ねェ!」

とせがまれ、彼も軽いアル中にかかってる池沢に困ってたらしい

「どんなアルの使い方アルかァァ!!」

すかさずアーニャがツッコむ

「つーかどんなナイト・オブ・ラウンズだよコレ!!金丸だらけだろーが!!絶対売れねー!絶対アニメ化しねーよコレ」

スザクの的(まと)を得たツッコミに、この時ばかりはアーニャも深く頷(うなず)いた

「そんな言い方すんじゃねーよ。お前らの先輩だぞ。俺にとっちゃ一緒に数々の冒険を繰り広げてきた大切な仲間なんだよ」

ジノは声を荒げる二人にそう言い聞かせると、茶封筒の中から数枚の集合写真を取り出す

「見ろコレ」

そこには向かって左から、金丸、池沢、ジノ、古橋、そして中心には縄で拘束され、横になった怪盗が写っている

「コレは江戸を騒がす怪盗を捕まえた時だな、大変だったなアレ」

ここまではよかった

「こっちは辻斬りを退治した時、朝日がまぶしかったな」

だが、ここから仲間うちにおいて微妙な異変が始まる兆候(ちょうこう)の兆(きざ)しがあった

「これは引ったくりを捕まえた時、風呂敷取り返したばーさん泣いてたっけ」

金丸と池沢が少し離れた場所で話始める

「これは…なんだったっけ。なんか…やっつけた時だな…」

金丸は馴れ馴れしく池沢の肩に手を回し、人目も憚(はばか)らずイチャつき始めた

「これは……ちょっと忘れたな」

意気投合しあった感じで、ジノと古橋に構わず腕を組みながら去る

「………」

それに続き、古橋もタバコを吸いながらジノの元を後にした

一人ぼっちになってしまったジノは体育座りでいじけ始めた

「全然なじめてないでしょーがァァ!!もう完全に浮いてるよね!全く打ち解けてないよねコレ!!」

「んなことねーよ。お前らガキはわかんねーかもしんねーけど、大人はこれ位距離感もって付き合ってくもんなの。あんまりベタベタしないの」

ジノを差し置いてすっかり仲良くなった金丸と池沢は、写真でも腕を組み、そのイチャつきっぷりを惜しみなく見せつけている

「後ろの二人おもくそベタベタしてんですけど!!」

「コレ完全に出来てるアルヨ、金丸と池沢…」

「ナイト・オブ・ラウンズトリオ二人くっついてジノ一人で取り残されちゃってるよ」

「g○obeのマーク○ンサーみたいになってるヨ。一番日本人丸出しなのに、マークになっちゃったヨ」

「うるっせーんだよ!!俺はマークじゃねェェ!!ナイト・オブ・ラウンズ率(ひき)いてんだ。俺がコムロだろ!!」

金丸と池沢とジノの三人でファミレスにいる時の写真を見せる

「いや、こんな寂しそうな小室、見たことないよ」

「コムロなわけだから一切惨めな気持ちとか、そういうのはない。むしろ二人の交際を応援していたからね俺は」

散々二人に蔑(ないがし)ろにされていたジノは、古橋と話し合い結託した

「ただ、ナイト・オブ・ラウンズをプロデュースしてるコムロとしては、交際に夢中で仕事がおろそかになるのは違うんじゃないかなって。それだけは注意させてもらった。まァでも彼等近頃の若者はちょっと叩かれるとスグ折れるから、いつの間にかいなくなっちゃったけどね」

金丸と池沢を縄でしっかりと縛りつけ、アーチ上の橋の上からジノと古橋が、夜の冷たい川へ落としている写真を見せる

「いつの間にかじゃねーだろ!なんか恐ろしい写真が残ってんだろーが!!」

「まァ、そっからはマスコットキャラの古橋さんと二人コンビでいくことに決めてな」

「どこがマスコットなんだよ!エライ黒い顔してるよ」

「やっぱ3(トリオ)なんて中途半端な数字は争いを生むだけだからな」

夜のそびえる高層ビルをバックにし、背中合わせに立つジノと古橋

「まァ、そっからの俺達コンビはそりゃもう、何?シティハンターも真っ青の八面六臂(ろっぴ)の大活躍だよ。西へ東へ大忙し、思えばあの頃が一番忙しかったな」

この数枚に重なる写真が証拠だが、よく見てみると…

カラオケでお袋さんを熱唱するジノ、数人の女の子達と生ビールで乾杯するジノ、さらに飲みすぎで道端に嘔吐する古橋の姿が写し出されている

端(はた)からみれば格好よく見えるが、どう見ても遊んでる風にしか見えない

「ほとんど合コンしかしてねーだろ!!」

酔った二人は歌を口ずさみながら帰路へつく

「一生懸命やってもうまくいくとは限らないのが仕事だ」

「あんだけやってダメだったのかよ、全部!!」

「傷つき倒れることがあっても、それでも立ち上がれたのは、やっぱり隣に相棒がいたからなんだろう」

ナイト・オブ・ラウンズの本拠地に着いたジノは、古橋に笑顔で手を振り別れを告げる

「つーかこの写真誰がとってんの?」

古橋もそれに応(こた)え、ナイト・オブ・ラウンズを後にする

「ありえなくね?誰がこんなダメ人間被写体に選んでんの」

二階へと続く階段をゆっくりと登るジノは、夜空に広がる星を見上げる

そこでジノは見てはいけないものを目撃してしまった

別れを告げたばかりの古橋と、キャサリン的ポジションにいる肉感的な美女が、腕を組んで歩いているところを

「そういや、あの夜は星がキレイだったな」

ジノの中の何かがプツンと音をたて切れた

二人を縄で縛り凍える寒さの中、アーチ上の橋の上から重いっきり川に投げ捨てた

「何してんだァァァ!!」

スザクとアーニャは徹底的に足でジノの行動を制し打ちのめす

「少しはキレイにまとめんのかと思ったら、最後までど汚ねーだろーが!!」

「美しい昔話の一つや二つもってねーのか、てめーはよォ!!」

手加減しないのが、スザクとアーニャのジノへ対する愛情表現である

「ナイト・オブ・ラウンズにはロクな歴史がないことがよくわかった」

こたつの台の上に置いてあった数十枚の写真が、スザクとアーニャの牽制(けんせい)によって勢いよく散らばる

「アイツに任せてたら私達破滅の道しかないネ」

「これからは僕らでナイト・オブ・ラウンズ何とかしていこう」

「私達で歴史を作っていくアル」

二人の皮肉めいたセリフを要約すると、つまりはこう言うことになる

「ずっとジノと一緒にいるから」



何が起こるかわからない



(これは些細な贈り物、でもジノにとっては一握りの幸せ)












予想以上に長くなってしまった…!

ジノ、誕生日おめでとう

この三人は書いててとっても楽しく書けます

ギャグを書くのは楽しいです

私の性にあってます(笑)

これからもスザクとアーニャの3人トリオで仲良くね














お題拝借、揺らぎ様


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