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憂鬱をまたぐ星々のひとつひとつを

※SSSログ






光を失った少女は、初めて出会った時から好きな人の顔を見たことがありませんでした



「スザクさん」

いつもとは違う室内に流れる空気

兄が連れてきた人物は、ナナリーの右手にそっと自分の手を重ね合わせました

掌から伝わってくるのは淡く、波のように打ち寄せる懐かしい思い出

一声聞いて、そばにいる人物が誰かすぐにわかりました

「ナナリー」

淡い想いを寄せていた、好きな人との七年ぶりの再会

「無事、だったんですね」

スザクの無事を確認し、涙を流すナナリー

少女の体は温かかく、細かった



純白のテーブルクロスの上に並べられているのは、蔓(つる)薔薇模様の高級磁器です

料理の得意なルルーシュが二人の為にお茶を淹れています

三人だけの小さなお茶会の始まりです

「元気そうでなによりだよ、ナナリー」

「スザクさんも」

香(かぐわ)しい紅茶を味わいながら、仲睦まじく話すスザクとナナリー

二人を見つめるルルーシュの目も自然と穏やかになりました

(やはり…ナナリーの騎士にはお前が一番相応しい)

今はまだ早いが…

いつか頼もう

スザクになら安心してナナリーを任せられる



温かい日差しが降り注ぐ緑溢れる庭園で、ルルーシュが見守る中、騎士は守るべき主君に一生の忠誠を誓いました

「スザクさん」

二人を遮(さえぎ)るものはなく、すべてが明るく照らし出されていました

スザクはナナリーの小さな手をぎゅっと握り、闇に閉ざされた目をみました

「今日から俺は君の騎士だよ」

「…でも、本当に私でいいんですか?」

縋(すが)るように見たナナリーに、スザクは強く頷きました

――この子が幸せにならずにどうする?

時折さまざまな苦言が頭を掠(かす)めてましたが、もうスザクの心は決まっていました

「うん、かまわないよ」

まっすぐで研ぎ澄まされたスザクの声に、ナナリーは包み込むような優しい笑顔を浮かべました

「ありがとう…スザクさん」

そんな未来が訪れることを信じて



憂鬱をまたぐ星々のひとつひとつを



(なぜスザクがユーフェミアの騎士に)









スザユフィ好きのスザナナ好き

つまり、どっちも同じくらい好きってことです

(勿論一番はスザルルですけれど)







お題拝借、9円ラフォーレ様


あきゅろす。
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