夢はみないことにした
※SSSログ、リボ+ルイ
「アルマーク」
声にセンサーが反応し自動ドアが開く
アロウズの軍服を着た目つきの鋭い少女が、ソファーに佇むリボンズに近づく
「随分と他人行儀な呼び方だね。ルイス・ハレヴィ」
「誰かが聞き耳をたてているかもしれないから。リボンズ」
五年前、スペインの病院でリジェネに勧誘され宇宙に連れて来られ、そこで人類を超越した存在――革新者リボンズと出会った
その時から、イオリアの思惑通りにルイスイノベイター化の極秘計画は着々と進行しつつあったのかもしれない
「いいよ、それより…」
出会った時から変わらない柔和な笑みを浮かべるリボンズに、ルイスはきょとんと首を傾げる
「ナノマシンの効果はどうだい?」
未(いま)だGN粒子による細胞障害に苦しむルイスにとってナノマシンはなくてはならないものだった
「問題ないわ」
「そうか、でもまだ不安要素がある」
彼がルイスに見せたのはどこにでもありそうなカプセル型の錠剤
「新しい薬だよ。ルイス」
「また?」
不服そうな顔をするルイスに、リボンズは穏やかな微笑を湛(たた)え、たおやかに言い聞かせる
「君の体を蝕む細胞異常を抑制する薬を与えたのは何故だか分かるかい?」
リボンズが全て配慮してくれたのか全科目試験を全てパスし、准尉としてアロウズに配属されたルイス
最初は日々の軍務に支障をきたす為と思っていたが、初陣前にリボンズ本人からそれは違うと告げられた
「君が求めたからだよ。紛争の無い統一世界を実現する為。ご両親の敵、ガンダムを討つ為」
「………勿論」
リボンズの意志が反映されたのか、ルイスの翡翠色の瞳が金色に色味を帯びる
「君は人類初のイノベイターになるという偉業を成し遂げるんだ」
「ええ、言われなくてもそうするつもりよ」
脳裏に優しく抱きしめてくれた沙慈の顔がちらついたがすぐに消し去った
人間という劣等種の蛹(さなぎ)を脱ぎ捨てイノベイターという高潔種になろうとしているのだから
夢はみないことにした
(幸せをみると泣きたくなる。私には手に入らないから)
ルイスはリヴァイヴやアニューやブリングやデヴァイン、他のイノベとも面識があったのかな?
うーん…気になる
私としては二期ルイと黒アニューの絡みを見てみたかった(もう無理だけど)
お題拝借、lis様
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