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恋哀事情

※SSSログ








休憩時間を貰えたクリスティナは、ティエリアの部屋へと足を運ぶ

「ティエリアー!」

「クリスティナ。予定ではまだ勤務時間じゃなかったか?」

「うん、でもね。今日はもう早めに上がってもいいって、スメラギさんに言われたから」

「そういうことか」

「だから…遊びに来ちゃった」

「分かった。俺は報告書を閲覧しなければならない。悪いが少し待っていてくれ」

「りょーかいっ」

ティエリアと必要最低限の会話を交わした後、白いベッドに横たわる

仕事熱心なティエリアは、各マイスターからの報告書に、一通り目を通している

暇そうにしているクリスティナに全然構ってくれない

そんなティエリアをからかうつもりで言ってみた

「…ティエリア」

「どうした?」

クリスティナを見向きもせず「ヴェーダに詳細な指示を…」と呟いている

「抱いて」

クリスティナの思わぬ大胆発言に、目を細め凝視する

「な…何を言っている!」

赤面し驚愕するティエリアに、クリスティナは拗(す)ね、頬を膨らませ

「だって…ティエリア全然手ぇ出して来ないから!」

「そ、そういうことは…ちゃんと順序を踏まえてからだな」

「ティエリアは私よりヴェーダの方が大事なの?」

クリスティナは抑えていた感情のすべてを、相手にぶつけた

「そんなことは言ってないだろう!」

生真面目なティエリアは、怒鳴りながらも真摯(しんし)に語りかけてくる

「じゃあ、抱いて?」

「だから…なぜそうなる?」

「ティエリアが欲しいから」

「…駄目だ」

「えー!何でー?」

子供みたいに駄々をこねるクリスティナを、自らの唇で黙らせるティエリア

「クリスティナ・シエラ。君はその言葉の意味を理解して言ってるのか?」

「うん」

「男は皆、飢えた獣だ。俺とて例外ではないぞ」

確かに心配性なティエリアの言うことは正しい

彼は彼なりに、クリスティナの身体を気遣かってくれているのだろう

「ティエリアになら……いいよ」

彼女の手が上がり、縋(すが)りつくようにティエリアの背中を抱いた

その感触に圧倒される

「どうなっても知らないからな」

沸き上がる欲情に打ち勝てず、ティエリアは眼鏡を外し、クリスティナの視界を遮(さえぎ)った

迫り来る未来(あした)を見たくはない――



哀事情



(想いすらも告げられず)









久しぶりのティエクリです



はー!クリスの前だけでは多彩な表情を見せる、ティエ様書くの楽しかった



設定は22〜23話の間

24話だと、兄さん亡くした直後でティエ様は冷静さを欠いてますので



クリスがティエ様に構ってもらいたいのは、ティエ様のことが好きでたまらないから!

後は欲求不満だから(笑)



イメージソングは黒契OPのハウリング










お題拝借、闇に溶けた黒猫・9円ラフォーレ様



あきゅろす。
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