沙慈とルイス
〜バレンタイン編〜
「沙〜慈〜！」
カフェでスパゲッティを食べている僕に､ルイスが話し掛けた
「な､何？ルイス」
「今日…何の日だか知ってる？」
僕は必死に考え込むが思い出せない
特に何もなかったと思うが…
「今日はバレンタインだよ！もー…､沙慈ったら忘れっぽいんだから…」
呆れた顔で呟くルイス
すると､僕に向かって手を差し出す
「チョコ､ちょうだい」
普通､日本では逆だと思うのだが…｡スペインでは違うのだろうか？
「急にっ……て､言われても…」
今日がバレンタインの日だなんて､忘れていたので作ってもいない
「仕方ないわね…」
ルイスが黙る
何かいい方法でも思いついたのだろうか？
「沙慈！あたしにチョコレートの作り方教えなさいッ！！」
ルイスに指を差され､僕は戸惑う
「ええっ！？」
ルイスが僕の食べ終わったスパゲッティの皿を片付けると､腕を引っ張る
「じゃあ､今すぐ調理実習室に向かうわよ」
一体何をする気なんだろう？
「僕にチョコの作り方教わって…｡誰にあげるつもりなの？」
ルイスの動きが一瞬止まる
「そんなの……決まってるじゃない！」
ルイスは後ろへ振り替えり､ちょっと顔を赤くしながら僕を見つめてこう言った
「沙慈にあげるに決まってるでしょ！！」
時間は掛かったが､なんとかチョコレートを作り終えた二人
(沙慈！あげる)
(ありがとう､ルイス)
ハッピーバレンタイン
(０８年.２月末までフリーでした)
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