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例えばもう戻らない何か

※FF7でエア←クラ










ミッドガルの寂(さび)れた教会

天井の斜め上から漏れた光が、咲いている花を優しく照らす

仲間達は近くの宿屋で休憩をとっている

俺は「用がある」と、言って外に出てきた




本当は用なんかない

忘れられないんだ

忘れられるわけがない

俺が殺したも同然なんだ

頭ではわかってはいても心が、魂が理解することを拒否する

もどかしい想いを抱え歩いていると、すぐ目の前に見える

運命というべき出会い

エアリスと初めて会った場所

5番街の郊外にある教会

今さらとは思うが、なぜか行ってみたくなったのだ

何かに導かれるように、一歩一歩足を進める

正面にある木製のドアをゆっくりと開く

ギイィ…と、木の軋む音がする

ドアが開かれ、クラウドのいる場所は柔らかな光が漏れる

いたんだ、エアリスが

子供達と一緒に楽しげに花の世話をしていた

「エアリス!」

幻影でもいい

ちゃんと謝りたい

もう一度話がしたいんだ

近づこうとした途端、掠(かす)めるように消えてしまった

「お姉ちゃんどこ〜?」

子供の一人が俺に不思議そうに尋ねた

「…あっちへ行ったぞ」

「ありがとう、お兄ちゃん」

クラウドの指差す方向は



天井から見える、大きくて澄み切っている雲のない快晴な青空だった




エアリス

俺は今でも

あんたのことが頭の中から離れない

俺のもとに

帰ってきてくれ

頼む…




俺は強くないんだ

一人じゃ何も出来ない

君がいれば何だって出来そうな気がするんだ

みるみる力が湧いてくる

エアリス

誰より大切なエアリス

俺も君に会いたい、よ



例えばもう戻らない何か



(それは君の命、声。それを形成する全て)


あきゅろす。
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